猫の『皮膚糸状菌症』とは
皮膚糸状菌症は、カビの一種が引き起こす感染症です。菌の形状が糸の形をしているので「糸状菌」といわれており、「真菌」に分類されます。
子猫や老猫、持病がある猫など免疫力が弱い猫によく見られ、他の動物や人間にもうつる可能性がある病気です。
周囲の環境から菌が付着して増殖することが原因ですが、免疫力の低下なども発症しやすくなる要因になります。
猫の皮膚糸状菌の症状は?
猫が皮膚糸状菌症に罹患すると、主に次のような症状があらわれることがあります。
- 脱毛
- 赤み
- フケ
- かゆみ
- かさぶた など
猫の場合だと、とくに顔の周りと耳や鼻、手足にこのような症状がよくみられます。通常の皮膚の炎症に比べてかゆみが弱いこともあり、脱毛して初めて気づくことが多いです。
なお人間が感染すると、同じようにフケ・かゆみなどがあらわれて「リングワーム」と呼ばれる円形の皮疹がみられます。
わたしも感染したことがありますが、しっかり腕にリングワームが2つできました…。
猫の皮膚糸状菌症を予防するには?
猫の皮膚糸状菌の予防法としては、主に次のようなものがあります。
生活環境を清潔にする
皮膚糸状菌は床やソファなどに落ちた場合に、そこからも感染しうるカビ菌なので、できるだけ猫の生活環境を清潔に保つことが大切です。
こまめな掃除や消毒を心がけて、とくに猫のベットの上やケージのなかなど、猫の毛が多く落ちている場所はしっかり掃除します。
一度発症してしまった場合には、次亜塩素酸系の消毒薬で毎日、生活エリアの拭き取り掃除をしましょう。消毒薬は塩素が飛ぶまで(匂いがなくなるまで)猫が舐めないよう注意してください。
ストレス対策をする
猫のストレスを減らすことも予防につながります。ストレスは免疫力の低下を招き、皮膚糸状菌症に感染しやすくなる要因になるからです。
猫と一緒に遊んだり、ストレス発散の場を作ったり、ストレスフリーな環境をつくるなど工夫をしましょう。
新人猫を迎えたときは健康診断と隔離をする
新しく猫を家族に迎える際は、動物病院で健康チェックを行うことをおすすめします。
とくにペットショップなど複数の子犬子猫がいる環境で過ごしていた猫は、皮膚糸状菌症にかかっている可能性がほかの場合に比べても、強く懸念されます。
そのため動物病院で身体検査とともに、自宅でも10日間程度は先住猫と隔離しておきましょう。
室内で飼育する
皮膚糸状菌症は、ほかの感染動物との接触よってうつることもあります。そのため、室内で飼育することは予防において非常に有効です。
皮膚糸状菌症の人への感染リスクはある?
先にも少し述べましたが、皮膚糸状菌症は人にも感染するリスクがあります。とはいえ免疫力の高い成人は、発症しないことも多いようです。
皮膚糸状菌に感染した猫との接触によって病気をもらうことになるので、野良猫はなるべく触らない・猫カフェなどでのふれあいの後はしっかり手を洗う・子猫を迎えいれたときは身体検査をするといった、できる予防は徹底しましょう。
これは体験談ですが、わたしが皮膚糸状菌になったときは、リングワームとかゆみがありました。仕事上複数の子猫と関わっていたので、おそらくそれが原因です。
治療は塗り薬(抗真菌薬)だけで、数日程度で治まりました!仕事の疲れで免疫力が落ちていたのかもしれません…。
まとめ
「皮膚糸状菌症」は猫や犬だけでなく、人間へも感染するリスクのある感染症です。
猫は被毛がふさふさに生えているうえに強いかゆみがないことも多いので、症状を見落としがちになります。
そのためフケや脱毛など症状のポイントを押さえて、なるべく早く異変に気づけるようにしておくのがベストです。
また動物同士のふれあいや子猫の迎え入れも慎重に、人間も動物と触れ合ったあとは手洗い等の対策を忘れずに行いましょう。