「お年寄り猫」はお世話が大変?
お年寄り猫は、病気になりやすいです。特に猫の場合、シニア期以降の猫の多くが腎臓に問題を抱えています。
お年寄り猫の場合、がんになる子も多いです。愛猫が慢性の病気を抱えていると、お金がかかります。通院の他、家で投薬したり皮下補液をしたりするため、時間も取られます。
身体もだんだん動かなくなってきます。今まで上れた棚の上にも上れなくなり、動きも緩慢になってきます。ちょっとした段差にも転ぶようになります。今までできたことができなくなるのを見るのは、飼い主としてとても心が痛みます。
だからといって、お年寄り猫のお世話は大変なだけではありません。一緒に暮らしてきた間に築いてきた絆があります。どうすれば相手が喜び、どうすれば嫌がるのかを、お互いにわかり合っているため、既に気のおけない仲になっているでしょう。
「お年寄り猫」のかわいいところ
お年寄り猫との暮らしは、困ることや哀しいことも多いかもしれません。しかし、お年寄り猫だからこそほっこりできる時間や落ち着ける時間もあるのです。
では、そんな「お年寄り猫」のかわいいところについて見ていきましょう。
1.時間がゆったりと流れている
お年寄り猫の回りでは、時間がゆっくりと流れます。年を取り、筋力や体力が衰えてくると、どんなに運動神経の良かった猫も、動作が緩慢になってくるからです。歩くときによろけたり、ちょっとした段差につまづいたりもするようになります。
そんな愛猫との暮らしは、どうしたって飼い主さんもゆったりせざるを得ません。仕事から帰宅し、年老いた愛猫と顔を合わせた瞬間から、時間の流れる速さが変わることでしょう。愛猫と飼い主さんだけのゆったりとした時間が流れると、不思議とケセラセラといった気持ちになるはずです。
2.無邪気な寝姿が増える
猫はもともとよく寝る動物ですが、年を取れば取るほど、寝る時間が増えていきます。当然、熟睡している時間も増えていくように見えます。
猫が熟睡しているときの無邪気で可愛らしい姿は、お年寄り猫でも同じです。警戒心が弱まってきている分、より大胆な爆睡姿を見せてくれることもあるでしょう。
3.家の中の細かい点に気付かせてくれる
愛猫の歩き方にぎこちなさを感じたら、愛猫の老化が始まったサインかもしれません。
ちょっとした段差にもつまずきやすくなるため、今まで気づかなかった自宅の構造や家具の配置などの細かい点が気になりだします。
それは愛猫のための環境改善になるのですが、そのまま飼い主さん自身の老後の対策にもつながるでしょう。
4.家具や壁紙で爪とぎをされなくなる
筆者が最も助かったのは、家具や壁紙で爪とぎをすることがなくなったことです。
爪の伸びすぎには注意が必要ですが、家具や壁紙がこれ以上ボロボロにならなくてすむのは、やはり飼い主さんの心の平穏のためには良いことだと思います。
5.お互いに堂々と甘えられる
思うように動けなくなった猫は、今まで以上に飼い主さんに対して甘えるようになります。
不思議なことに、俊敏に身をかわして逃げ出すことのなくなった猫には、飼い主さん側からも猫への甘え心がくすぐられます。
愛猫から甘えられると、飼い主さんも愛猫のお腹や肉球のニオイを嗅がせてもらったりなど、甘え合う楽しい時間が増えるようになります。
「お年寄り猫」と一緒に暮らすときの注意点
老化の進み方は猫によってまちまちです。そのため、愛猫の様子をよく観察しながら、できなくなってきたことをサポートしてあげましょう。
具体例をいくつか上げますので、参考になさってください。
- まだジャンプができるようなら、ステップ等を増やして上り下りをサポートする
- 危険を感じたら、ステップ等を取り外して上り下りできないようにガードする
- 床の段差をなくす
- 愛猫の行動範囲を制限し、トイレや食事場所、給水所、寝床等を集約する
- 給餌皿や給水皿は、台などを利用して頭を上げたまま飲食できる高さにする
- トイレの敷居が高い場合は、またぎやすい低さのトイレに交換する
まとめ
新しく猫を迎え入れる場合、どうしても子猫に目がいってしまうかもしれません。しかし、飼い主さんのライフスタイルによっては、好奇心旺盛で一瞬も目を離せないような子猫よりも、ある程度落ち着いたおとなの猫を迎え入れる方が良い場合もあります。
いずれ飼い主さんも「年を取ったなぁ」と感じる年代になるでしょう。そのとき、猫もシニア期入っている方が、暮らしやすいでしょう。
若くて俊敏な猫とのスリリングな暮らしも楽しいですが、それぞれの老後をゆったりと落ち着いた時間の中で暮らすのも、悪くありませんよ。