1.火気や刃物、有毒物質まである台所
ガスコンロなどの熱源は、そばを離れなければ比較的安全です。しかし火を消した直後の五徳や、料理を盛りつけたあとのフライパンなどはしばらく熱いままです。油断した猫が触ればヤケドをしかねません。
肉を切ったり野菜の皮をむいたりするのに使う包丁も、怪我につながるアイテムです。
また人間用の食材の中には、猫にとって毒性のあるタマネギやニラといった誤食したら危険なものもあります。愛猫の命にもかかわるだけに注意しましょう。
2.溺れる危険性のある風呂・洗濯機への侵入
猫は基本的に水に濡れるのを嫌いますが、水に近づかないわけではありません。
いちばん怖いのは水が入っているバスタブに転落することです。バスタブには猫がつかまれるところも足場もありませんから、万一猫が落ちた場合、自力での脱出はほぼ不可能でしょう。
また洗濯機も猫には危険な場所です。とくに前面に扉のあるドラム式洗濯機の中は隠れ家的な空間で、お昼寝場所にする猫も少なからずいます。
中に猫がいるのに気づかないまま洗濯してしまったという、事故のニュースを見聞きしたことがある人もいるでしょう。
洗濯機は使用前に猫が入っていないことを必ず確認してください。洗濯前に一度中を空にするよう習慣づけておくと安心です。
浴室や洗面所は猫が入れないように扉を閉めておきましょう。
3.窓や玄関には脱走・転落のリスクあり
猫がらみのトラブルで多いのが脱走です。
室内飼いの猫でも、なにかに驚いたときなどに開いていた窓から飛び出すことがあります。
外に出ただけで逃げずにいてくれれば保護できますが、パニックを起こしてやみくもに走り出してしまう猫もいるので、油断はできません。また、高層階からだと怪我や命の危険もあります。
開け閉めする窓には脱走防止のための柵を設置する、ペット対応の網戸に交換する、窓が大きく開かないようにストッパーをつけるなどの対策が必要です。
ベランダからの飛び出し対策としては、出入りする際は部屋から猫を出すなどの対策を徹底してください。
さらに猫の脱走では玄関からというケースも少なくありません。宅配便の受け取りの際に荷物に気を取られた隙に外に出たりもよくあるパターンです。
玄関にも脱走防止用の柵を立てるなどして安全を確保しましょう。
4.押し入れなどへの閉じ込めにも要注意
押し入れや靴箱といった収納やトイレなどに猫を閉じ込めてしまう事故も起きがちです。
人間が扉を開けるのを待ちかまえては侵入をはかる猫は少なからずいます。
問題は猫がとても静かに侵入するために見過ごされやすいことでしょう。そのせいで気づかないまま、閉じ込めてしまう事故が起きるのです。
閉じ込められて騒ぐタイプの猫は気づきそうですが、黙って待つタイプの猫は長時間閉じ込められてしまう可能性があります。とくに夏の暑い時期に水が飲めない状態が長くつづけば、熱中症や脱水の危険もあります。
数時間にわたって猫の姿が見えないなどの場合は、家捜しをしてみる必要があるかもしれません。
また、外出前には猫の姿を確認するくせをつけておくと、閉じ込めたまま放置する事故を防げるでしょう。
まとめ
家の中は猫にとって安全な場所であるべきですが、決して完璧は望めません。
危険物が多い台所や溺死の可能性もある浴室などは、人が暮らすうえで欠かせないスペースです。脱走や転落事故の可能性を考えれば窓や玄関の開け閉めにもリスクがともなうことになります。
さらに猫を閉じ込めてしまいかねない押し入れやトイレといった場所も、油断はできません。他にも家電製品のコードをかじってしまって感電することや、遊んではいけない飼い主さんの用品を誤食してしまうことなどのトラブルも起こりやすいので注意が必要です。
と言って心配ばかりしていては、飼い主さんの気が休まらないでしょう。飼い主さんにとって、そして愛猫にとって、安心してすごせる空間でありつづけられるように、しっかりと対策しておきたいですね。