猫を『突然死』させるかもしれない恐ろしい病気4選 予兆や予防法なども解説

猫を『突然死』させるかもしれない恐ろしい病気4選 予兆や予防法なども解説

もしも、愛猫が突然命を落としてしまったら…。「突然死」しやすい病気の予兆や予防法を知っておくことで、悲しい別れを避けることができるかもしれません。猫の「突然死」について詳しく見ていきましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.肥大型心筋症

ハートを抱えた猫

猫の突然死の原因としてよく挙げられるのが「肥大型心筋症」です。心臓の筋肉が異常に厚くなると、血液のポンプとしての役割をスムーズに行うことができなくなります。その結果、心臓がうまく機能せず肺にお水が溜まってしまったり、「血栓」ができやすくなるため血管に血栓が詰まってしまい死に至る場合がある病気です。

残念ながら、初期段階で気が付くことは困難といわれています。運動量が落ちる、呼吸が荒いなどの分かりやすい症状が出たときには、すでにかなり進行している可能性も。血栓ができると足の血管につまりやすいため「後肢麻痺」といって下半身を引きずるような歩き方になります。

一度なると完治しない病気のため、こまめな検査が一番の予防法といえるでしょう。健康診断の際に、超音波検査と血液検査は必ず行うのがおすすめです。早期発見できれば薬でコントロールすることもできます。

2.脳血管障害

頭を抑える猫

人でいう脳出血、くも膜下出血、脳梗塞などの「脳血管障害」も、突然死する可能性が高い病気です。脳浮腫や血腫によって脳圧が高まると、「脳ヘルニア」をおこして死に至るのです。

人間の脳血管障害では頭痛やめまいが予兆といわれますが、猫の場合は本能的に痛みを隠そうとするため、予兆としてみられるようになるのはやはりかなり進行したときです。痙攣や麻痺などの症状を起こしたり、まっすぐ歩けなくなったりします。

3.腎臓病

トイレに座る猫

「腎臓病」は慢性経過をたどる病気というイメージがあると思いますが、急性腎不全の場合は急速に進行してしまう可能性があります。数時間~数日で腎機能が著しく低下し、命を落としてしまうのです。急性腎不全は尿管に結石がつまってしまったり、ゆりなどの中毒などで引き起こされます。

また、慢性腎臓病でも、猫が我慢強い性格だったり、飼い主さんに知識がない場合は要注意。飲水量の増加や尿の変化といった初期症状に気が付かず「尿毒症」を発症した場合、突然亡くなったように見えることがあります。尿毒症とは、腎臓が正常に働かず体内に毒性成分が回ってしまう状態です。

尿毒症による突然死を予防するには、まずは腎臓病のリスクを減らすための栄養管理やストレス軽減が大切です。また、排尿がないと尿毒症を発症するといわれているため、常日頃から猫のトイレ事情をチェックしておくことが予防につながります。

4.フィラリア症

予防薬を塗布する猫

「フィラリア症」によって突然死するケースもあります。フィラリア症とは、心臓や肺動脈に虫が寄生することによって起こる病気です。蚊が媒介するためお散歩に行く犬の感染率が高いものの、猫にも感染します。

猫の体内に入り込んだフィラリア虫は、幼虫のうちに死んでしまうことがほとんど。仮に成虫になれたとしても、その時点では猫になんの症状も出ないことも多いです。問題は成虫が死んだときで、死骸が血管を詰まらせて血液循環が滞り死に至ります。

予兆に気が付けるとすれば、幼虫が肺に達したときです。咳や呼吸の異常が見られたり、食欲不振、嘔吐などの症状があらわれることがあります。

犬と違い、成虫の死滅が突然死につながる可能性が高いため、猫の場合は対処療法でコントロールすることになります。完全室内飼いの猫でも感染するリスクはあるため、フィラリア予防薬を毎月使用するのがおすすめです。

まとめ

病院で診察される猫

今回は、猫を「突然死」させるかもしれない恐ろしい病気について解説しました。

猫が突然死する病気は、今回紹介したもの以外にもあります。それらを全般的に予防するためには、「元気の有無」「食欲の有無」「尿の変化」をこまめにチェックすることが有効です。

また、屋外に出すことは控え、毎年1回は定期健診を行うようにしましょう。

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