猫を長生きさせる『寝床』4つの条件 猫の快眠環境を整えて健康をサポート

猫を長生きさせる『寝床』4つの条件 猫の快眠環境を整えて健康をサポート

心地よい「寝床」を用意してあげることは、猫の健康につながります。今回は、猫を長生きさせる「寝床」の最も重要な条件をご紹介しますので、ぜひチェックしてくださいね。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.快適な温度

オイルヒーターで温まる猫

猫が寝床を選ぶ条件で、最も重要なのが「温度」です。

猫の寝床の適温は25℃前後ですが、季節や個体の体感に合わせることも大切です。基本的に猫は寒がりなので、夏は冷えすぎに注意し、冬は暖気が溜まる高い場所に寝床を設置するといいでしょう。

しかし夏場に暖かくなりすぎても熱中症になる危険性もあります。湿度や通気なども併せて考えると良いでしょう。

また、猫に合わせた温度にすることもポイントです。子猫や老猫は体温調節が苦手なので28℃~30度が適温。長毛種よりも寒がりな傾向がある短毛種も、冷房の効きすぎや冬の寒さに注意が必要です。

さらに、猫の体勢から、快適に感じているかどうかを見極めることも可能です。快適な温度で寝ている猫は、足をだらんと伸ばしたり横に伸びきったりリラックスした体勢をします。寒いと頭を体に埋め込むように丸くなり、暑いと前脚を前方に出して寝ます。

2.快適な湿度

扇風機と猫

半砂漠地帯出身である猫は、じめじめとした気候が苦手です。肉球でしか発汗できないため、高温多湿な環境では上手に体温調整ができません。寝る部屋の湿度は、50~60%がおすすめです。

一方で、湿度が低すぎると静電気の問題が出てきます。フローリングや家具などと接触すると、猫の毛は静電気を帯びることに。静電気特有のバチバチとした感覚は猫にとっても大変不快なので、乾燥させすぎも良くありません。乾燥のし過ぎにより皮膚トラブルなどにつながる危険性もあります。

もともと湿度が高い日本では、梅雨時期はとくに配慮が必要です。湿度が高いと食欲が落ちたり元気がなくなったりするほか、皮膚や耳の疾患のリスクも高まります。

部屋の換気をしたり、エアコンのドライ機能や除湿器を使ったりして、快適な湿度を保ちましょう。

3.適度な日当たり

日向ぼっこする猫

寝床に日当たりというとピンと来ないかもしれませんが、猫の睡眠時間は1日12〜16時間ほどです。これだけの時間を真っ暗な中で過ごすというのは体に良くありません。人間にも適度な日光浴が必要なように、猫にとっても日当たりがいい場所でのお昼寝は健康のためになります。

具体的には、日光浴をすることで血行促進され毛艶が良くなったり、内臓の巡りが良くなったりするそう。他にも、菌やウイルスの増殖を抑えて皮膚を守ったり、ストレスが緩和されたりと、日光浴が猫にもたらすとされる影響は数々報告されています。

猫の気が向いたときに日に当たりながら寝られるよう、窓辺にベッドを設置しておくといいでしょう。窓の外に見える景色は、目が覚めているときの娯楽にもなります。

4.寝床の選択肢がある

ハウスの中の猫

実際のところ、ベストな寝床は季節や時間によって変わります。また「高い場所で寝たい」「暗い場所で寝たい」という猫の気分にも左右されるので、いつでも寝る場所を選べる環境を用意することが大切です。つまり、最終的には猫自身に寝床を選んでもらうということです。

例えば、いくら快適な温度で日当たりが良い場所でも、子供が騒いでいると安心して眠れないかもしれません。また、普段は狭くて暗いダンボール箱の中を好む猫でも、天気の良い日くらいは窓辺で寝たいかもしれません。

日当たりのいい窓辺、部屋全体を見渡せる家具の上、静かに過ごせる押し入れの中など、さまざまなバリエーションでいくつか用意しておくといいでしょう。日中の温度上昇や夜間の冷えすぎに備え、各部屋を移動できるよう扉を開けておくのもおすすめです。

まとめ

窓辺でねている猫

猫の「寝床」で大切なのは、「暖かさ」と「数」です。エアコンや扇風機など便利家電を使っても問題ありませんが、冷えすぎないように注意しましょう。

ただし、猫が寒いのが苦手だからといって暑くしすぎると、熱中症のリスクが高まります。季節や天気、猫の気分によって快適な場所は変わるため、自分で居場所を選択できる複数の寝床を用意することも大切です。

環境が整ったストレスのない寝床は、猫の体の健康のみならず心の健康にもつながります。

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