1.鳴きすぎなどののどの炎症
くしゃみや鼻水、目ヤニなどのかぜ症状が見られず、元気があるのに猫の声がかすれている。そんなときは、鳴きすぎが原因かもしれません。長時間大きな声で鳴きつづけるなどの原因によりのどに炎症がおこって、声がかすれてしまうことがあるのです。
鳴きすぎが原因で声がかれている場合は、のどの負担を減らすため、なるべく鳴かせないようにする必要があります。猫が鳴いている原因を見つけ、改善に努めましょう。
しばらく経っても症状が改善しないときは、病気など、ほかの原因があるかもしれませんので、動物病院を受診してください。
2.全身麻酔で手術をした
全身麻酔で手術をしたあとに猫の声に異変が生じる場合があります。よくあるのは、避妊・去勢手術のあとに声が出なくなった、かすれてしまった、という例です。
全身麻酔で手術をする際は、麻酔を送りつづけるため、のどに気管チューブと呼ばれる管を通します。この気管チューブを出し入れする際にのどの粘膜を傷つけてしまうことがあります。すると、炎症が起こり声が出なくなったり、かすれたりしてしまうのです。
大抵はしばらくすると自然治癒します。なるべく鳴かせないようにする、室内の乾燥対策をするなど、のどに負担をかけないようにして様子を見ましょう。
3.サイレントニャー
猫が鳴いているように口を開けているのに、声が聞こえないときがあります。このような鳴き方を「サイレントニャー」と呼んでいます。子猫が母親に甘えるときに出す鳴き声で、猫同士では声として聞こえているようです。
ではなぜ「聞こえない」と言われているのでしょうか。
それは、猫と人間が聞き取れる音の範囲(可聴域)が違うためです。サイレントニャーは、人間が聞き取れる範囲よりも高音(高周波)の鳴き声なので、人間の耳では音として認識することができません。ただし、かすれた声で小さく鳴いているのが聞こえることもあるようですね。
人間と暮らしている猫は、大人になってもサイレントニャーで「甘えたいよ」と気持ちを伝えてくる猫も多いと言います。ぜひ、甘えさせてあげましょう。
4.鳴き慣れていない
え?と思うかもしれませんが、鳴くことに慣れていない子猫は、上手に鳴くことができず、かすれた声が出てしまうことがあります。
また大人の猫は、基本的に鳴きません。子猫うちは、母親とコミュニケーションをとる必要があるので鳴くこともありますが、大人になると自分の身を危険にさらさないように鳴かなくなるのです。そのため、保護猫の中には鳴き慣れていなくて声がかすれてしまうこともあるようです。
子猫や保護猫の声がかすれているという場合は少し様子を見ても良いでしょう。ただし、ほかにも症状がある、改善しない、悪化するという場合は動物病院を受診してください。
まとめ
猫の声が出ない、かすれているというときは、猫かぜなどの病気の場合もありますが、病気以外にもさまざまな理由があります。
元気も食欲もあるのに愛猫の声だけがおかしいと感じたときは、病気以外の可能性も考えられます。病気でないなら様子を見てもかまいませんが、ほかに気になる症状がある、改善が見られないなどの場合は獣医師に相談することをおすすめします。