1.なでてほしい
猫がお尻を高く上げるのは、愛情表現のひとつです。飼い主に対して親愛の気持ちがあり、自分のことを撫でてもらいたいと思っているところです。
頭のてっぺんから背中まで、手やブラシを使って撫でてあげましょう。
また、なでるだけでなく、しっぽの付け根を軽くトントンされることを好む猫もいます。
猫のしっぽの付け根には神経が集中しています。頭にもしっぽの先にもつながっており、刺激に対してとても敏感な場所です。
猫が毛づくろいをするときには、自分で届かない部分なので、軽い力でリズミカルに刺激を与えると猫は気持ちよく感じるようです。
ただし、猫は気分の切り替えが早い動物です。突然「もういい!やめて!」と怒り出すことがあります。猫の様子をよく観察しながら撫でてあげましょう。
2.よし、やるぞ!
気持ちよさそうに寝ていた猫が起きたときに、お尻を高くあげることがあります。活動開始のスイッチになるような行動です。
ふだんから猫はじっとしていることが多いので、ときどき起き上がってストレッチをすることで、体をほぐして血流を良くし、筋肉の硬直を防いでいます。
このストレッチは、次の行動に備えるような働きがあります。
猫の瞬発力は高いものの、持久力がないため、一瞬のうちに獲物を捕まえなくてはいけません。そのため、常に瞬時に動けるように準備が必要なのです。
飼い主さんが帰宅したときに、愛猫がストレッチをしながら近づいてくることもあるでしょう。いまから遊んでもらう準備やごはんを食べる準備なのかもしれませんね。
なかにはそのまま二度寝をしてしまう子もいるかもしれませんが、やる気満々の二度寝です。優しく見守ってあげましょう。
3.発情したかも…
メス猫がお尻を高く上げる行動は、発情がはじまった可能性があります。メス猫は発情期に入ると、次のようなサインが見られます。
- 大きな声で鳴く
- 異常に甘える
- 家の中を常に徘徊する
- 仰向けになりクネクネする
- お尻を高く上げる姿勢をとる
- トイレ以外の場所で排泄する
- 食欲の低下
- しっぽの付け根を刺激してほしがる
これらは、発情期に入ったメスが発情状態をほかの個体にアピールするという役割があります。
発情中の猫の脳内は過剰な興奮状態になり、非常に強いストレスがかかっています。繁殖を目的としない飼育下では適切な時期に避妊するようにしましょう。
また、避妊手術を受けた一部の猫でも、春から秋にかけて、時折このような行動が見られる場合があります。
ごくまれに卵巣細胞が体内に残ってしまっているケースもありますが、通常は、発情ではなく季節性の行動な場合がほとんどです。心配な場合には、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
猫がお尻を高く上げるのには、愛情表現やストレッチ、発情期などさまざまな要因が考えられます。
また、これらの行動が一連につながって表現される時もあります。寝起きに飼い主さんのもとへ来たときは、ストレッチをしながら撫でてほしいという気持ちを表しているかもしれません。
猫は限られた身体の動きで気持ちを表現するので、よく観察しないと猫の気持ちを理解するのはすこし難しそうですが、よく猫を観察していると、どのようなことを考えているのかわかるようになります。
ただし、未避妊の猫を飼っている場合には、猫の身体変化にも注意するようにしてあげてください。猫の行動から気持ちや状態を理解して、適切な対応をすることが大切です。