1.準備の音
猫は、音と連動して起る事柄を学習できる動物です。たとえば、「給餌の器の音=ご飯がもらえる」「猫砂の袋の音=トイレがキレイになる」とうように、音を聞くことで、この先起きる出来事を予測できるようになるのです。
そしてそれは、飼い主さんの外出時も同様です。猫は飼い主さんが支度をする音を学習し、「この音が聞こえると飼い主さんは外出をする」と把握するようになるのです。
カバンを出す音や財布やスマホを準備する音、家や車の鍵を持つ音など、人間が何気なく準備しているときに出る音がすることで、猫は飼い主さんが外出することを気付いてしまうのです。
2.外出前の習慣
多くの人は、外出前に習慣化している行動や動作があります。トイレや歯磨きといった身支度から、テレビや電気を消したりコンセントを抜いたり。猫を飼っている人なら水の取り替えや猫トイレの掃除などもルーティン化されていることでしょう。
そんな飼い主さんの行動パターンを猫は学習しています。
たとえば「飼い主さんがコロコロ(粘着テープ)で衣類から抜け毛を取りはじめるとお出かけをする」「歯磨きをしてトイレに行ったらしばらく留守をする」といったところでしょうか。
3.声かけや態度
「愛猫があまにもカワイイので外出したくない」という飼い主さんがいるほどですから、出かける前に愛猫に挨拶をする飼い主さんも少なくありません。
頭を撫でて「行ってくるね」と話しかけたり、元気をチャージするために『猫吸い』をしてから出勤したりする人もいます。多頭飼いのケースだと、1匹1匹それぞれに挨拶をしてから外出する、という話も耳にするものです。
猫は『言葉』を理解できないとはいえ、直接声をかけられて触れられた後の習慣は記憶に残るもの。猫にとってはお留守番前の儀式のようなものになっているのかもしれませんし、このルーティーンが始まることで(そろそろ外出か…)と気づいているのかもしれませんね。
こっそり出かけるのは良いこと?
猫は飼い主さんの動作音や行動パターンで、飼い主さんが出かけることを察知します。
本来、猫は単独行動が得意で、人間に依存することもない動物。しかも1日の中で15時間ほど寝て過ごすため、人間が常に一緒にいなくても大丈夫な素質をもっているはずです。
飼い主さんに依存していない猫さんであれば、外出することを猫に察知されることは問題ありません。「仕事に行ってくるね」との話しかけや、遊んであげるなど外出前の儀式をする人もいます。
しかし、猫によっては留守番をすることが不安となり、ストレスをためてしまうこともあります。ひどい場合「分離不安症」になってしまうこともあるのです。
もし、愛猫がさみしがり屋で甘えんぼうの性格だとしたら、できるだけ愛猫に外出を悟られないようにすることをおすすめします。
まとめ
今回は、愛猫が飼い主さんの「外出」に気づいてしまうワケについて解説しました。
飼い主さんがどんなに工夫をしても、猫は留守番前の空気をキャッチしてしまいます。そのため、飼い主さんができることは、愛猫がお留守番に対して嫌なイメージを持たないように導いてあげることです。
水や餌の準備やトイレの掃除はもちろん、出かける前におやつをあげたり軽く遊んであげたり、帰宅した時にはたっぷり甘えさせてあげるなど、お留守番前後に愛猫が喜ぶことをはさんであげるのもおすすめですよ。