1.要求があるため
猫は、なにか要求があるときに飼い主さんの足を踏むことがあります。言葉を話せない猫にとって、前脚はよきコミュニケーションツール。飼い主さんの足を踏むことで、やってもらいたいことを伝えようとするのです。
残念ながら、足を踏む行動から要求の内容まで判断することは困難です。しかし猫が日常的に求めることとしてはいくつかのパターンがあります。例えば、お腹がすいていたり、トイレが汚れていたりといった内容です。
稀に、足を踏まれたあとに猫に付いていくと、要求がある場所へ連れていってくれることがあります。「なにをしてほしいの?」と優しく声をかけながら、静かに付いていってもいいでしょう。
2.意識してもらうため
特に要求はないけれど、飼い主さんに意識してもらうために足を踏む猫もいます。足を踏むことで、「自分はここにいる」とアピールしているというわけです。
注目してもらいたい理由として多いのが、飼い主さんに甘えたい、というもの。猫はクールな動物だというイメージが強いかもしれませんが、スキンシップが不足するとさみしくなることがあります。そんなときはぜひ一緒に遊ぶ時間を取ってあげましょう。
また、子どもや同居猫がいる環境でもしばしば足を踏む行動が見られます。「自分と遊んでほしいのに、他の猫や子どもばかり構っている」「無意識に愛情が偏ってしまっていた…」というような環境になっているのであれば、猫との関係を今一度見直してみてください。
3.床を踏みたくないため
猫は基本的に寒がりな動物です。床が冷たくて歩けないため、飼い主さんの足を踏んでいるということもあります。人間のように靴下やスリッパを履けるわけではないので、尚のこと床の温度には気を付けてあげなければなりません。
秋冬の寒い時期は、人間が思う以上にフローリングが冷えている場合があります。猫が足を踏むことが増えたら、歩くことにストレスを抱えているサインかもしれません。絨毯を敷く、部屋を温めるなどして、猫にとって快適な環境を作ってあげましょう。
また、冷房を付けることが多い春夏にも、必要以上に床が冷えてしまう可能性があります。室温は20~25度程度に留め、部屋全体が冷えすぎないように気を付けましょう。
4.ニオイを付けようとしている
マーキングしようとして、うっかり飼い主さんの足を踏んでしまった…ということもあります。
猫が頬やアゴなどをスリスリ擦り付けるようにしている場合は、マーキングの可能性大。頬やアゴには臭腺があり、擦り付けることで自分のニオイを付着させることができるのです。
猫はもともと、木や草に自分のニオイを付けて縄張りを主張する習性があります。そのようにして他の猫が入ってこないようにするのと同時に、テリトリー内を落ち着ける場所にしていったのでしょう。
そのため、飼養されている猫でも家中にマーキングをすることが少なくありません。
家具や壁ではなく飼い主さんにマーキングをしたくなるのは、主にお風呂上がりや飼い主さんが帰ってきたときです。自分のニオイがなくなって落ち着かないので、もう一度付け直していると考えられます。
まとめ
猫が飼い主さんの「足を踏む」のは、さまざまな理由があります。
甘えたい、一緒に遊びたいなど、基本的にはポジティブな気持ちであることがほとんどです。子どもが親に「ねぇねぇ」と肩を叩くように、飼い主さんに呼びかけているというわけです。
一見すると嫌がらせをしているようにも思えますが、そもそも信頼していない相手の足を踏むことはありません。
また飼い主さんだけでなく、同居しているペットを踏んでいることもあるのだとか。猫の可愛いコミュニケーションととらえて、なにを伝えたいのかじっくり観察してみるといいでしょう。