猫にとっては『危険な3つの家電』起こりうるトラブルや事故防止策を紹介

猫にとっては『危険な3つの家電』起こりうるトラブルや事故防止策を紹介

家電は、人間の快適な暮らしに欠かせないアイテムです。その反面、ちゃんと対策しておかないと、猫の安全を脅かすケースもあります。今回の記事では、「入る」「歩く」「乗る」といった猫の定番行動に沿って、危険な家電を3つ紹介します。今後の参考にしてみてください。

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.洗濯機(入る)

洗濯機と猫

困ったことに、猫は洗濯機の中に入るのが好きです。収まりのいい狭くて暗い場所が、野生時代の記憶を呼び起こさせるのかもしれません。まるで岩場の空洞に入って安心しているかのようです。

ところが、そのまま洗濯機を回したら、どうなるのか。きっと飼い主さんは現実を直視できないでしょう。

海外では、中にいるとは知らず、12分間、洗剤入りのドラム式洗濯機で回された末、奇跡的に助かった飼い猫もいます。ただ、それはあくまで例外です。洗濯機の事故のほとんどは命の危険をはらんでいます。

悲劇を避けるために、縦型、ドラム式かかわらず、以下のことを試してください。

  • 常に蓋を閉めておく
  • 使用前に中に猫がいないかチェックする
  • 小さな子供のいる家庭はチャイルドロックしておく

この他にも、冬場の車対策と同じように、「猫バンバン」してみるのも手段のひとつです。その際は、過度に怖がらせないよう、なるべく控えめに。

2.IHコンロ(歩く)

IHコンロと猫

猫は、自由に歩くのが好きです。床をはじめ、窓際、テーブル、タンスの上、寝転んだ飼い主さんの身体の上など、とにかくいろいろなところを歩き回ります。ただし、危険性の高い家電の上だけは、やめてもらいたいものです。

代表的なものは、IHコンロ(クッキングヒーター)です。ビルトイン式、あるいは、移動式のコンロを使用している家庭も多いことでしょう。

IHコンロは調理後も一定期間、高温状態が持続します。飼い主さんの目を離した隙に、食べ物の匂いにつられ、愛猫がその上を歩いてしまうかもしれません。もしそうなった場合、火傷の恐れもあります。

もうひとつ厄介なのは、火事のリスクです。猫がIHコンロの上を歩いた拍子に、スイッチが「オン」になってしまうことがあります。

2014年の大阪で実際に火災事故が起こりました。飼い主さんが外出中の出来事です。知らずに愛猫がIHコンロのスイッチをオン。金属製ボウルが加熱され、そばにあった燃えやすいものが発火しました。一歩間違えれば大惨事となっていた状況です。

製品評価技術基盤機構(NITE)は、ペットによる家電誤作動を「もふもふプッシュ」と命名し、注意を呼び掛けています。

事故防止対策として、次のことに気つけましょう。

  • 調理前後は、猫をキッチンに入れない
  • 外出時は、IHコンロの主電源を切っておく
  • コンロまわりには燃えやすいものを置かない
  • ロック機能を活用する

以上のチェック事項は、ガスコンロの場合でも役に立ちます。

3.電気ポット(乗る)

電気ポットと猫

猫は何かの上に乗るのが好きです。モノであれ、人であれ、良さげなものがあれば、すぐ乗ります。電気ポットもそのひとつです。ある程度高さがあって、温かいので、座り心地が良いのでしょう。

ちょこんと乗る姿は確かにかわいいですが、事故にもつながりかねません。座り続けると低温ヤケド、「もふもふプッシュ」で沸いた蒸気、あるいは、転倒した際のお湯で本格的なヤケドの心配もあります。

皮のめくれた肉球は本当にかわいそうです。万が一、落下した電気ポットの下敷きになれば、骨折などのケガの可能性もあります

愛猫を危険から遠ざける意味でも、以下のことを対策してみください。

  • 使わないときはコンセントを抜いておく
  • 蒸気の出ない電気ポット(ケトル)に変える
  • 猫の手の届かないところに置く

いったん居心地の良さを知ってしまうと癖になるので、見つけた時点でやめてもらうようにしましょう。

まとめ

猫とテレビ

家電と愛猫の共存は、飼い主さんにとっても頭の痛い問題かもしれません。改めて自覚したいのは、人間には便利な家電が、同時に、猫にとっては危険なモノである、ということです。

そのことを踏まえたうえで、今回の記事をヒントに、家電の安全対策を実践してみてください。

スポンサーリンク