違反者には罰金9万円超
英国で新法が2024年6月10日から施行されます。この法律では、飼い猫へのマイクロチップ装着が義務付けられています。これを守らない飼い主には、500ポンド(約9万5千円)の罰金が科されるのですから、注意が必要です。
新法によると、飼い猫が生後20週間に達するまでに、マイクロチップを装着し、最新情報を登録して猫の安全を確保する必要があります。
法の施行日までに飼い主がこの義務を怠れば、さらに21日間の猶予をもらってマイクロチップを装着するか、罰金を払うことになるのです。この新法は、迷い猫や誘拐された猫を、無事飼い主の元へ戻すことを目的にしています。
大切な家族を守るために
英国には約900万匹の猫がいますが、このうち約230万匹にはマイクロチップが埋め込まれていません。もし行方不明になってしまっても、情報がなければ飼い主をたどることができないのです。
Therese Coffey環境大臣は「猫は大切な家族の一員です。迷子になったり盗まれたりした場合、飼い主は相当に悲しむことでしょう。マイクロチップの強制的な装着を法制化することで、たとえ行方不明になっても再会できる可能性が高まるので、飼い主家族にとって安心なのです」と話しています。
マイクロチップは米粒ほどの大きさで、ペットの皮膚の下に埋め込まれます。固有のナンバーによって飼い主情報がリスト化されており、保護したペットをスキャンするだけで、だれが飼っているのかがわかるのです。
ただし新法では、農場で生活する猫や野生の猫など、人間のそばで暮らしていない猫については装着義務はありません。また、すでにマイクロチップを装着していても、登録情報を最新のものにしておくことが重要です。
別れても再会できるように
猫の福祉団体「Cats Protection」のMadison Rogersさんはこう話しています。
「これまで犬にはマイクロチップの装着義務がありました。猫も同様の規制ができたことを喜ばしく思っています。わたしたちはこれまで、マイクロチップ情報のお陰で、保護した猫を無事に飼い主の元へ戻すことができたのです。たとえ家から遠く離れた場所で発見されても、あるいは長期間行方不明になってしまっていても、マイクロチップさえあれば飼い主と再会できるのですから」
たとえ室内飼いでも、災害などで飼い猫と離ればなれになってしまうことも考えられます。愛猫へのマイクロチップ装着は、飼い主の「愛情の証」ともいえそうですね。
出典:Cat owners warned over new law they must follow or risk facing whopping £500 fine