猫の健康を損ねてしまう『食器にまつわる4つのタブー』最悪食べなくなってしまうことも?

猫の健康を損ねてしまう『食器にまつわる4つのタブー』最悪食べなくなってしまうことも?

猫のためにフードにこだわっている人は多いと思いますが、食器にまで気を遣えていますでしょうか。合わない食器を使わせ続けることは、猫の食欲不振の原因になることも。そこで今回は、猫の健康を損ねてしまう「食器にまつわる4つのタブー」について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.深さ・広さが合っていない

赤い食器で食べる猫

猫の食器を選ぶときは、「深さ」と「広さ」に注意しましょう。

というのも、猫はヒゲが当たる食器を嫌う傾向があるからです。猫のヒゲにはさまざまな役割があり、とても敏感です。食べるたびにヒゲが触れてしまう食器だと、食事の時間がストレスになってしまいます。

深さの目安は3~5cm程度といわれています。それより深い食器は、顔を突っ込んで食べなくてはならないためヒゲが当たりやすいですし、喉を圧迫するのも心配です。一方、それより浅い食器だと、食器自体が動いてしまったり、食べこぼしもしやすくなります。

また見落としがちですが、食器の広さや形もポイントです。深さが適切でも小さすぎるとヒゲが当たるので、猫の顔よりひとまわり大きいものがおすすめです。また、楕円形の食器だと、よりヒゲに当たりにくくなります。

2.高さが低すぎる

女性から餌をもらう猫

食器を床に直置きしてご飯をあげている方も多いかもしれませんが、これも実はタブー。首を曲げた体勢で食べるため負担がかかりやすく、ときには吐き戻しにつながることさえあります。

食器の高さの理想は床から5~10cmほどですが、猫の体格に合わせて選ぶ必要があります。

愛猫が食べているところを横から見てみてください。首をまげてかがみこむような体勢になっているとよくありません。とくに子猫やシニア猫、短足猫などは負担がかかりやすいので、ベストな高さを見つけてあげましょう。

市場には高台付の食器もありますが、家になければ手ごろな台を使うのでもかまいません。ただし、いずれの場合も重量があるものを選ぶのがポイント。軽い台だと食器がスルスル滑って食べにくくなります。

3.ステンレス製

ステンレス製の食器で食べる猫

食器の素材にも、猫にとって向いているものと向いていないものがあります。

例えばステンレス製はペット用食器として定番ですが、冷たさやニオイ、自分の顔が見える点が苦手な猫もいるようです。傷がつきにくい上に割れないので便利なのですが、猫が嫌がっているようであれば変えた方がいいでしょう。

プラスチック製の食器は冷たさやニオイは気になりにくいものの、傷がつきやすく菌が繁殖しやすい点がネックです。知らない間に不衛生な状態になってしまう可能性があるので、できれば控えるのがおすすめ。

使用感や衛生的な面でもっとも安心できるのは陶器ですが、割れると粉状になってしまう点は注意が必要です。素材については好みの問題が大きいため、愛猫の様子を見ながら選んであげてくださいね。

4.フードと水が一体になっている

一体型の食器を使う猫

ここのところよく見かける、ご飯と水の両方を入れられるタイプの猫用食器。『ダブルフードタイプ』などと呼ばれることもあります。オシャレなデザインも多く魅力的ですが、実はデメリットもあるのをご存じでしょうか。

それは、ご飯の場所にお水が、お水の場所にご飯が入ってしまいやすいことです。一体型はそれぞれの距離が近いため、食べこぼしが原因でこのようなことが起こる可能性があります。ご飯にお水が入ると食感が柔らかくなったり風味が落ちるもとに。お水にご飯が入ると味が変わり、水分を取らなくなることがあります。

また、一体型を2匹の猫で使うのも好ましくありません。見た目はとても可愛らしいですが、取られまいと急いで食べてしまう可能性があるためです。

ご飯とお水の食器はなるべく分け、それぞれの猫にひとつずつ用意してあげるのがおすすめです。

まとめ

ガラスボウルで食べる猫

今回は猫の「食器にまつわるタブー」をご紹介しましたが、猫の食器でもっとも大切なのは『愛猫が食べやすいかどうか』です。

適切な食器は猫の嗜好や体格によって変わるため、今回解説した限りとはいえません。

食器を変えたときには、愛猫の食欲が落ちていないか、無理な姿勢になっていないかをしっかりチェックするといいでしょう。

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