1.猫の気持ちを理解していない
猫の気持ちは、顔の表情以外にも耳やヒゲ、しっぽの動きなどボディランゲージで表現されます。このような猫のコミュニケーション方法を理解していないと、猫の気持ちも理解できません。
たとえば、しっぽをピンと垂直に立てていれば機嫌が良いことを示し、逆に尻尾を下げたり、ブンブン振ったりすれば不機嫌な証拠です。
また、ひげを顔にピッタリつけ、耳を後ろに倒すと警戒している合図になります。
しかし、このような猫の感情表現を無視したり、思い違いをしたりしてしまうと、猫の本当の気持ちが分からず意志を汲めず、猫にストレスを溜め込ませる原因となってしまいます。
見ると思わず笑ってしまう「やんのかポーズ」も、遊びで興奮している場合と本当に怒っている場合があるので見極めることが大切です。
2.猫らしさを尊重しない
猫のボディランゲージにも通じることですが、猫らしい生き方や習性への理解も必要です。
猫は人とは違った行動パターンを持っています。
たとえば、猫は「薄明薄暮性」で明け方や夕方に活発になること、自意識が強く人間が相手でも気に入らなければ歯向かってくること、子猫はむちゃくちゃ暴れるときがあること、テリトリー意識から爪とぎをすることなどです。
これらは飼い主が環境を整えれば、問題になることはありません。
しかし、飼い主が猫らしい習性を理解せず、人間目線の生活を押しつけていれば、いずれ猫はストレスから意図的に問題行動を起こすようになるかもしれません。
それは、飼い主にも猫にも不幸なことです。
3.必要な世話を怠ける
猫が子猫でない限り、四六時中となりにいてベタベタと構ってあげる必要はありませんが、基本のお世話まで放ったらかしにするのは別問題です。
猫に無知な人や手間をかけたくない人は、猫に必要なお世話(食事・トイレ・健康管理など)を無視してしまいがちです。
栄養が偏っているおやつや低品質フードで済ませたり、猫トイレの掃除をサボったり、ワクチンや定期健診などの健康管理をおろそかにするなどです。
猫が健康的な生活を送ることに関して何も考えずにいると、いずれは病気にかかりやすくなり、猫にとっての不幸となってしまいます。
猫の幸せは、飼い主の適切な世話があってこそ実現できるのです。
4.猫を飼養するには経済的な余裕がない
実際の資産・収入がどうであれ、いまの日本には、なんとなく経済的な不安を感じている人が多いようですが、本当に猫を飼うだけの経済的な余裕がなければ、猫を不幸にする原因となります。
猫を適切に世話するには、それなりの費用が必要です。
キャットフード代とトイレの砂代はどうしても必要ですし、健康診断やワクチン、万が一の治療費もかかります。猫も高齢になれば病気になりやすくなり、医療費も必要になります。
しかし、経済的に余裕がないと、このような必要経費でさえ出費を惜しんでしまいがちです。
猫の食費を削って安価なフードや人間の食べものを猫に与えるなどすれば、猫の健康を損ないかねません。
猫は終身にわたり、世話が必要な動物ですから、猫を最後までしっかりと面倒をみられない場合は、決して無理して飼うべきではありません。
5.猫を乱暴に扱う
知らず知らずとはこのようなことかも知れません。猫に対して乱暴な言葉遣いや粗野な態度で接してしまうことは、あきらかに猫を不幸にしてしまいます。
猫は感覚が鋭いため、言葉を話さない猫でも、人が話す言葉の雰囲気や態度から情報を読み取ります。
たとえば「バカ猫」「うるさい!」などといった暴言を日常的に浴びせられたら、猫にとっては大きなストレスですし、乱暴なドアの開閉やモノを投げ捨てるような仕草も、猫を不安にさせる原因です。
乱暴な言動は、体罰や虐待にならなくても、猫に精神的なダメージを与えるので、将来的にストレスから問題行動を起こす心配もあります。
猫との暮らしは、できるだけ穏やかに過ごすように心掛けましょう。
まとめ
猫を不幸にしないためにも、猫の特性を理解して、猫らしさを尊重することが何よりも大切です。
同じ空間で共存するために、人間側の都合だけで猫を コントロールしようとしたり、逆に猫任せにしすぎたりするのではなく、猫に寄り添うように心がける必要があります。
また、荒々しい態度や行動は、一緒に暮らす猫にとってストレスとなるため改善が必要です。疲れて帰ったときにバッグを放り投げたりしていませんか?
そして、猫の終生にわたり、世話には一定の費用がかかります。
20年前は約8歳だった猫の平均寿命も、いまでは15〜16歳まで伸びています。猫を最期まで大切にできる経済的負担が可能であるか、自分のライフスタイルも含めてしっかりと検討しましょう。