猫の鼻に何かある?シミやほくろを見つけたら疑うべき病気や対処法

猫の鼻に何かある?シミやほくろを見つけたら疑うべき病気や対処法

愛猫の鼻に見慣れないシミやほくろのような模様があったら、何かの病気なのでは?と気になってしまいますよね。猫の鼻のシミやほくろはなぜあらわれるのでしょうか。疑うべき病気についてお話しいたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

悪性メラノーマ

鼻を見る猫

猫の鼻にできるシミやほくろは、悪性メラノーマの可能性が考えられます。

悪性メラノーマとは、メラニン色素を作る「メラノサイト」と呼ばれる細胞に発生する、がんの一種です。

一見するとシミやほくろのように見えるのですが、綺麗な円形ではなくいびつな形で境目がわかりにくく、だんだん大きくなって出血や潰瘍を伴うのが特徴です。

悪性メラノーマは、肺や肝臓へ転移する可能性があるだけでなく、再発しやすいガンとも言われています。

万が一悪性メラノーマと診断された場合、最も有効な治療法は、外科的手術で腫瘍を取り除く方法です。

早期発見と早期治療が何より大事になりますので、日頃からスキンシップなどを通じて猫の体に異変がないかチェックしてあげてください。

皮膚糸状菌症

猫の鼻をアップで撮った画像

皮膚糸状菌症は、真菌というカビが猫の皮膚や被毛に付着して増殖する病気で、感染すると脱毛やフケ、かさぶたができる感染症です。

もしも猫が皮膚糸状菌症に感染していた場合、シミやほくろのように黒っぽく見えるのはかさぶたと考えられますが、白っぽいかさぶたができる場合もありますので、油断は禁物です。

皮膚糸状菌症に感染している動物に接触することで感染するため、子猫や高齢猫など免疫力が低下した猫は特に注意が必要な病気でもあります。

動物病院で皮膚糸状菌症と診断されると、投薬や抗真菌薬入りのシャンプーでの薬浴、塗り薬を使用して治療を行います。

個体差にもよりますが、皮膚糸状菌症の治療には数ヵ月~長くて半年以上かかる場合もあると言われています。

病気の感染を予防するためにも、とにかく皮膚糸状菌症に感染している動物と接触させないことが重要です。

人も感染しますので注意しましょう。

扁平上皮癌

上を見上げる白猫

扁平上皮癌とは、皮膚や粘膜に存在する扁平上皮細胞と呼ばれる細胞がガン化し、増殖する悪性腫瘍です。

猫の場合、鼻や耳、口に発生することの多いガンと言われています。

初期段階では、かすり傷やかさぶたなどの症状があらわれますが、皮膚炎やケガとの区別が難しいため、ガンであることに気付かず様子を見る飼い主さんも少なくないようです。

扁平上皮癌が徐々に進行していくと、できものがただれたり、化膿して出血を伴う場合もあります。くしゃみや鼻水、鼻血などの症状があらわれることもあるようです。

猫が扁平上皮癌を発症する原因は定かではありませんが、白猫や白い被毛を持つ猫が発症しやすい傾向にあると言われています。

それ以外にも、紫外線、大気汚染、タバコの煙も、猫が扁平上皮癌にかかる原因になる可能性があると考えられています。

なるべく紫外線に当たらないようにするため、完全室内飼育を徹底することもひとつの予防策になるでしょう。

まとめ

かごの中に入っている猫

いかがでしたでしょうか。

今回は、猫の鼻にシミやほくろを見つけたときに疑うべき病気についてお話しいたしました。

猫の鼻にあるシミやほくろは、汚れや加齢によるものが多いため心配いらないことがほとんどです。

しかし、なかには病気によるシミやほくろである可能性も十分考えられます。

普段から愛猫とのスキンシップを積極的に行い、健康状態を把握することが病気の早期発見につながります。

もしも、愛猫の鼻にこれまでなかったはずのシミやほくろがあらわれたときは、念のためかかりつけの動物病院に相談すると安心です。

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