1.クサい
猫はニオイに反応して、しかめっ面になることがあります。ニオイを嗅いだ後の猫が口を半開きにして一瞬フリーズすることがありますが、その変顔」は「フレーメン反応」と呼ばれるもので、実はフェロモンに反応するとされています。
猫のフレーメン反応が出やすいニオイは、猫のおしりや人間の靴下や汗、足のニオイなどが該当します。人間から見たらクサいイメージのあるものなので、「フレーメン反応=クサい」と表現されることもありますね。
そしてその表情も「クサッ!」というセリフにぴったりではありますが、猫にとって本当に嫌なニオイの場合、すぐにその場から立ち去ったり近づかなかったりします。
2.眩しい
猫は眩しいときに目を細めます。猫の眼球は光をキャッチする能力に長けているため、家庭内の照明でも眩しく感じるもの。よく猫が自分の手で顔や目を隠すように寝ているのは、目隠しをしているもので通称「まぶしい寝」とも呼ばれるポーズです。
また、猫はひなたぼっこが大好きな動物ではありますが、もちろん太陽光も眩しいと感じます。
猫は眩しさを感じやすい動物なので、人間が気にならない程度の採光でも目を細めることがあります。そのときの猫の表情はしかめっ面に見えますが、機嫌が悪いわけではなく、ただ「眩しい」と感じているだけなのです。
3.眠い
猫は眠気をガマンすることのある動物です。それは、急な外敵の襲来に対応するための本能的な能力です。たとえ室内飼いの猫でも、時間帯や雰囲気によっては、睡魔と戦うことがあります。
猫が眠気をガマンしているときの表情は、とても目つきが悪いものです。細く開いた目の中に見える視線は鋭く伏し目がちで、なかには、目の中に存在する「瞬膜」と呼ばれる白い膜が瞳の半分を隠している状態のときもあり、これはなかなかのホラー映像です。
しかし、見た目の怖い印象に関係なく、猫自身はただ単に眠いだけなのです。怒っているわけではないので、刺激をあたえずにそっとしておいてあげましょう。
4.不満がある、ショックを受けた
猫も、不満を感じたりショックを受けたりすることはあります。
食事を横取りされたり遊びを妨害されたり、望んでいたことが思うように進まないと、落ち込むのです。猫がしかめっ面をしていても、どことなくしょんぼりした感じのときは、何か不満があるか、もしくは落ち込んでいるのかもしれません。
猫が落ち込んだ表情をする少し前の行動がわかれば、その不満を解消してあげることができるかも。おやつをあげたり、おもちゃで遊んであげたり、撫でてあげるなど優しく接してみましょう。ただしニーズと違うことをするのは逆効果なので、気をつけてください。
5.痛い
猫がしかめっ面をするとき、最も気にしてあげたいのが「痛いとき」です。しかし猫は体調不良を隠す動物なので、その表情から痛がっている感情をくみ取るのは難しい、とされています。
ところが、2019年にカナダのモントリオール大学付属動物病院の協力のもと、「猫のしかめっ面スケール」というものが開発されています。これは、猫の痛みの有無と表情をデータ分析したものです。
猫は痛みを感じているときは、目を細め、耳はイカ耳の雰囲気になり、口や鼻の周りもヒゲと共に横に張ります。もし愛猫の様子がいつもと違い、たとえば排せつ物や食欲の異変など、元気がないときにしかめっ面をしていたら、痛みをガマンしているサインかもしれません。
まとめ
猫が「しかめっ面」をするときは、「クサい」「眩しい」「眠い」「不満」「落ち込み」「痛い」という理由があることがわかりました。
それらは人間と通ずるものがあり、人間も何かをガマンしているときはしかめっ面になりやすいものです。基本的に怒っているわけではなく、『自分の中に生まれた不快感』というところでしょうか。
また、猫がしかめっ面をしているときには、自分のなかの感情と葛藤しているサインかもしれません。怒っているわけではありませんが、できるだけそっとしておいてあげるのが賢い選択と言えそうです。