猫が暮らしに満足している6つのサイン
猫の本当のキモチを読み取るには、ボディランゲージを理解しないといけません。
すこしむずかしそうですが「幸せな猫」ほど、そのサインを隠しきれませんので、きっとすぐにわかりますよ。
1.ゴロゴロと喉を鳴らす
猫が喉をゴロゴロと鳴らしているのは、リラックスして幸せな気分になっている証拠です。
赤ちゃん猫は生後わずか数日で、すでに喉を鳴らして母猫に自分の気持ちを伝えるといわれています。
母猫や飼い主、あるいは安心できる環境など、頼れる存在に自分をゆだねられる状況のときに、猫は喉をゴロゴロ鳴らすのです。
もし寝ているとき、ひなたぼっこしているとき、撫でたときなどにゴロゴロいうなら、きっと満足しているはずです。
2.しっぽを立ててあちこちにスリスリする
この行動には2つの側面があります。
ひとつはしっぽを立てていること。これは警戒心が低く、機嫌のよい証拠です。
もうひとつは顔をこすりつける行動です。猫のほっぺたにある臭腺からニオイをこすりつけて「自分のもの」とマーキングする行動です。
どちらも猫にとっては、本能的な社会性となわばり意識からくる行動ですが、人間で言えば、ニコニコしながら自分のお気に入りシールをあちこちにペタペタ貼りまくるようなイメージです。
この行動は、猫が満足しているときに見られる行動です。
3.仰向けになって寝る
いわゆる「ヘソ天」で寝る猫は本当にかわいらしいですよね。
自然界で暮らす猫は、自分で食事を調達しなくてはいけません。
また、外敵から身を守る必要や気温差によるストレスもあるため、環境が整ったところでないと弱点であるおなかを出して眠れません。
つまり、猫にとってはいくつもの条件が揃っていないと仰向けで眠れません。
その点、おうちで飼われている猫は、定期的に食事や清潔なトイレが維持され、快適な環境で生活しています。
つまりヘソ天は、間違いなく満足しているサインなのです。
4.手や顔を舐めてくれる
猫は単独行動が基本ですが、近くの他者とコミュニケーションを通じて、なわばりを確保します。
なかでも、仲が良い関係が身近な相手には、積極的に好意を示します。そのひとつが、舐める(グルーミング)行動です。
嗅覚のするどい猫は、舐めて自分のニオイを付けることが愛情表現なのです。
手や顔を舐めてもらえるのは、愛猫から認められた存在だからこそ。猫は自分のニオイをつけた飼い主との絆を感じて満足しているのです。
5.お気に入りのおもちゃで遊ぶ
獲物の代わりにおもちゃで遊ぶことは、家で暮らす猫が狩猟本能を満たせる手段のひとつです。
しかし、数あるおもちゃのなかから自分だけの「お気に入り」があるという状況は、安定して幸せな環境で生活している証拠でもあります。
もちろん、飼い主がおもちゃを買い与えているという現実はありますが、猫は基本的に一時的な興味しか持ちません。
猫が自分のおもちゃを選んで遊ぶことは、猫自身の意志で選択できる自由があり、それに対して満足しているからです。
6.お気に入りの場所へ行って休む
猫が食べた後は活動をとめて休むのは、消化でエネルギーが消費されるため、テリトリー内の安全な場所で休息する必要があるためです。
野良猫の場合は、外敵や環境の変化に常に注意を払う必要があり、安全な場所を探すことは生存戦略のひとつです。
決して「好きな場所」は選ぶことができません。快適な場所は、ほかの個体にも快適であることが多いためです。
一方、飼い猫にとって身体を休める場所は、自分の好みに応じて選べます。
猫がお気に入りの場所に行って休むという行動こそ、暮らしの満足感を示すものでしょう。
不満がある猫はこんなことをする
逆に日々の暮らしに不満がある猫は、以下のようなサインを示すことがあります。
- 物を破壊する
- 過剰な毛づくろい
- 舐めハゲ
- 人目につかない場所を選ぶ
- 食べすぎる
興奮や攻撃性は解消できない不満の転嫁行動です。
ほかの猫や飼い主を攻撃したり、トイレやベッドなどを荒らしたりすることもあります。
逆に過剰な毛づくろいは、不満を自分の内に込めています。脱毛するほど舐めてしまうときは医療の助けが必要かもしれません。
また、毛づくろい同様に食べすぎも、ストレスの心配があります。人間と同じようにヤケ食いのような状態です。
これらのサインが見られたら、環境の変化、社会的な問題、健康上の問題などを検討し、猫のストレスや不満の原因を特定して解決するよう務めてください。
猫に満足してもらう方法
「うちの猫は、不満はなさそう。でも、いまいち確信が持てない」という人もいるかもしれません。
猫のメンタルは、環境に影響されやすいため、満足してもらうには猫の生態に合った環境整備が重要です。
猫が感じる満足感の基本は、本能を充実させるところにあります。
- 高い場所に猫専用スペースを設ける
- 多頭飼いは猫同士の相性により食事とトイレの場所を分ける
- 触れることよりも毎日の声掛けを大切にする
- おもちゃは飽きないように都度保管する
隠れて部屋の様子をうかがう、高い場所にのぼる、窓から外を眺める、爪を研ぐなどを、誰にも邪魔されずに行える環境を目指しましょう。
多頭飼いの場合は、ほかの猫にも邪魔できない動線を作ることがポイントです。
猫が快適な場所を持ち、飼い主と適切なコミュニケーションができれば、猫の毎日は満たされることでしょう。
まとめ
猫はいつでも「いま」を生きる動物です。
愛猫に日々の暮らしに満足してもらうためにも、「いま」たくさん楽しませてあげることが大切です。同時に猫本来の本能を満たせるよう配慮してあげましょう。
たとえば、住空間の住み分けはとても大事です。毎日話しかけて声を聞かせることも、猫にとって安心の材料になります。
猫が機嫌よく暮らせること。これだけが猫の満足度につながります。
もし、ここまで読んで「ストレッチやヘソ天なんて、いつも見てるけど?」という人がいたら、安心してください。あなたの猫ちゃんは、いまの暮らしに十分満足していますよ。