猫の『ワクチン接種』知るべき4つの情報 種類や頻度、おおよその費用感まで

猫の『ワクチン接種』知るべき4つの情報 種類や頻度、おおよその費用感まで

猫の感染症を予防するために必要なワクチン接種は、どのくらいの頻度で打てば良いのでしょうか。ワクチンの種類やおおよその費用など、ワクチン接種のために知っておきたい情報についてお話しいたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.猫にワクチン接種が必要な理由

注射器を見る猫

猫にワクチンが必要な最大の理由は、感染症を予防するためです。

猫の感染症の中には、感染力が高く最悪の場合死に至る感染症も存在します。

猫同士が直接接触しなかったとしても感染のリスクがあるため、ワクチン接種が推奨されています。

完全室内飼育の猫の場合、飼い主さんがウイルスや細菌を持ち帰ってくる可能性がありますし、万が一猫が脱走した場合、外からウイルスを持ち込んでしまうことも考えられます。

防げる感染症で愛猫が辛い思いをしないためにも、ワクチンを接種して愛猫を感染症から守ってあげてください。

2.ワクチンの種類

2種類の瓶を見つめる猫

猫のワクチンには、大きく分けて「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」の2種類があります。

コアワクチンとは、危険度が高い病気を予防するワクチンで、すべての猫に接種が推奨されているワクチンです。

一般的に「3種混合ワクチン」と呼ばれるコアワクチンでは、猫パルボウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症を予防することができます。

ノンコアワクチンとは、生活環境や感染のリスクに合わせて打つかどうかを検討しなければならないワクチンです。

ノンコアワクチンでは、猫白血病ウイルス感染症や猫クラミジア感染症、猫免疫不全ウイルス感染症を予防することができます。

3.ワクチンを打つ頻度は?

子猫を舐める親猫

猫のワクチンを打つ頻度は、猫の年齢や生活環境、感染症のリスクなどによって異なります。

子猫の場合、生まれてすぐに母猫の初乳を飲むことで「移行抗体」と呼ばれる免疫を持っているのですが、その移行抗体がある間にワクチンを接種しても十分な効果が得られません。

母猫にもらった免疫は徐々に効果が消失していくので、そのタイミングを見計らってワクチンを接種するのが効果的です。

子猫が初乳を飲んでいる場合は、生後6週~8週を目安に初めてのワクチンを接種し、その2~4週間後に2回目のワクチン接種を行いましょう。

その後は、16週以降に最終接種を行うことが推奨されています。

それ以降は、1年に1回、または3年に1回の頻度でワクチンを接種するのが望ましいと言われています。

また、成猫になって初めてワクチンを接種する場合や、これまでのワクチン接種歴が不明な猫にもワクチンの接種が必要です。

その場合も獣医師との相談は必須ですが、1回目の接種から3〜4週間後に2回目のワクチンを接種することが推奨されています。

最近では抗体価(どれぐらい体が感染症と戦えるか)を測定できますので、ワクチンを打つべきか決める判断材料に利用するのも一つです。

4.ワクチン接種にかかるおおよその費用

注射器と瓶の画像

猫のワクチン接種にかかるおおよその費用は以下の通りです。

  • 3種混合ワクチン…約4,000円~6,000円程度
  • 4種混合ワクチン(3種混合ワクチン+猫白血病ウイルス感染症のワクチン)…約5,000円~7,000円程度
  • 5種混合ワクチン(4種混合ワクチン+猫クラミジア感染症のワクチン)…約5,000円~7,000円程度
  • 7種混合ワクチン(5種混合ワクチン+猫カリシウイルス2種)…約7,000円~8,000円程度

1種類でも接種できる「猫免疫不全ウイルス感染症」「猫白血病ウイルス感染症」のワクチンは、いずれも約3,000円~5,000円程度が相場のようです。

ワクチン接種にかかる費用は、動物病院によって違いがありますので、事前に確認しておくと安心です。

まとめ

白いハートを持って横たわる猫

いかがでしたでしょうか。

今回は、猫の感染症を予防するために必要なワクチン接種についてお話しいたしました。

ワクチンを接種すると、感染症を予防できるだけでなく、万が一感染症にかかってしまった場合も重症化を防ぐことができるでしょう。

愛猫の健康をサポートするために、適切なワクチン接種を行ってくださいね。

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