猫の『耳のケア』上手に行うための3つのポイント サボるとどんな影響が?

猫の『耳のケア』上手に行うための3つのポイント サボるとどんな影響が?

猫の耳のケア方法を知っていますか?なんとなく綿棒で掃除しているという方は多いのではないでしょうか。ここでは猫の耳のケアを上手に行い、耳の中を清潔に健康に保つポイントを3つにわけてご紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫の耳のケアの頻度とタイミング

猫の耳のチェック

猫の耳のお手入れの頻度は、個体差や耳の形によって異なりますが、一般的には1週間に1回程度が目安です。

耳の入口に耳垢がたまってきたときや、耳の健康状態をチェックしたいときに行うだけで十分です。頻繁に行う必要はありません。

耳のお手入れのタイミングは、猫がリラックスしているときに選びましょう。例えば、ご飯を食べた後やお昼寝の前後などがおすすめです。

猫が遊びたがっているときや興奮しているときには、耳のお手入れをしようとすると嫌がったり噛んだりする可能性があります。

猫の耳のケア3つのポイント

耳掃除をされる猫

猫の『耳のケア』は、猫の健康にとって重要なことです。しかし、やり方を間違えるとかえって耳を傷つけたり、猫にストレスを与えたりする可能性があります。

そこで、以下の3つのポイントに注意して、上手に行ってあげましょう。

1.まずは耳のチェックから

猫の耳は通気性が良く自浄作用があるので、頻繁に掃除を行う必要はありません。耳の入口に耳垢がたまってきたときに行うだけで十分なので、定期的に耳の健康状態をチェックしましょう。

2.コットンやガーゼで優しくふき取る

耳の中を拭くときは、耳を軽くめくって見える範囲だけをやさしく拭き取ります。

お手入れには、クリーナーを軽く湿らせたコットンやガーゼを使います。力を入れたり、奥まで拭いたりしないようにします。外側を軽くふく程度であれば、水を含んだ赤ちゃんのおしりふきでも問題ありません。

汚れが落ちない場合や奥の方の汚れは、無理に取ろうとせず、動物病院に相談しましょう。

3.液体クリーナーや綿棒は不要

猫の耳のケアの際、難しそうであれば無理に耳の中に入れるタイプのクリーナーを使用する必要はありません。クリーナーを使用する場合は正しい使用方法を確認しましょう。

また、綿棒は耳の奥に届きすぎて危険なので使いません。

猫の耳のケアをサボるとどうなる?

耳を掻く猫

猫の耳のケアは、週に1度程度おこなってあげたいもの。ケアを怠ってしまった場合、猫の耳にどんな影響がでるのかご紹介します。

  • 耳がくさくなる
  • 耳を痒がる(掻いて毛玉ができる)
  • 耳の中で炎症が起きる

耳アカが耳の中で溜まってしまうと、臭いがきつくなります。それに伴い痒みも出てくるので、掻いて耳の周りが毛玉になったり赤くなってしまいます。

耳の中で細菌繫殖が増加することが多いので、炎症が起きてしまう可能性もあるでしょう。

炎症が起きてしまう前に、猫が耳を気にしている様子があれば早めにケアをしてあげたいものです。

こんな耳アカは要注意!病気のサインかも

動物病院で診てもらう猫

猫の耳のケアをしていると、茶色や黒の耳アカが出てくることがあります。

茶色の耳アカが少量であれば問題ないのですが、大量だった場合や真っ黒な耳アカの場合、においのある場合は以下のような感染症の疑いがあるので、動物病院を受診するようにしてください。

耳ダニ

猫の耳アカは、通常はやや茶色で少し湿り気があります。

しかし、耳アカが黒くて乾燥していたり、臭いが強かったりする場合は、耳ダニ感染症や外耳炎などの病気の可能性があります。

これらの病気は、耳に炎症や痒みを引き起こします。

マラセチア・真菌

マラセチアとは、猫の皮膚や耳に常在する皮脂を餌とする酵母様真菌の一種です。

この菌が過剰に増殖し、赤みやかゆみを引き起こしたりする病気を「マラセチア症」と呼びます。

マラセチア症は、アレルギーやホルモン異常などの基礎疾患や、高温多湿な環境などが原因で起こりやすくなります。

猫のマラセチア症は、外耳炎を伴う場合が多く、耳垢や臭いが強くなったり、耳を掻いたり振ったりすることが見られます。

まとめ

リラックスした猫

今回は、猫の耳のケアを3つのポイントに分けてご紹介しました。

1週間に1度程度、猫の耳の中の汚れや臭いをチェックし、汚れているようなら湿らせたコットンやガーゼでふき取ってあげましょう。綿棒などは不要です。

耳のケアをサボってしまうと、耳アカが溜まって臭いや外耳炎の原因となります。

また、茶色や黒の耳アカが大量に出たり、耳を痒がったりしている場合は早めに動物病院を受診するようにしましょう。

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