1.身だしなみを整えている
きれい好きなことで知られる猫は、一日に何度も毛づくろいをする様子が見られますよね。
猫の毛づくろいには、身だしなみを整えたり皮膚や被毛の健康を守る意味があります。
ザラザラの舌をブラシのように使いながら古い毛や汚れをキレイに取り除き、毛玉のない整った毛並みを保っているのです。
それだけでなく、毛づくろいをすることでニオイを防いだり皮膚病を予防する意味もあるのだそうです。
そのほか、ザラザラの舌で毛づくろいをすると皮膚のマッサージ効果が得られ、血行促進にも役立っています。
2.体温調節をしている
暑いとき、人間は汗をかいて体温を下げることができますが、猫はほとんど汗をかかないため、汗をかいて体温調節をすることができません。
そのため、暑いときは唾液で体を濡らし、水分が蒸発するときに起こる気化熱を利用して体温を下げているのです。
さらに、寒い日は毛づくろいで被毛をふさふさにすることで、被毛の間に空気が含まれて保温効果が得られると言われています。
毎日何気なく行っている毛づくろいには、猫が過ごしやすい体温を保つために必要な行動でもあるようです。
3.気持ちを落ち着かせるため
猫は、緊張や不安などのストレスを感じたときに、毛づくろいをして気持ちを落ち着かせることがあります。
大きな音に驚いたり飼い主さんに叱られたとき、何かを失敗してしまったときなど、気を紛らわせるために毛づくろいをして自分を安心させているようです。
これは「転位行動」と呼ばれるもので、緊張や不安などのストレスを感じたときに、一見何の関係もないような行動を取ることを指します。
転位行動による毛づくろいは、体中を丁寧にまんべんなくお手入れする毛づくろいとは異なり、短い時間で同じ箇所を集中的に舐めることが多いです。
強いストレスを感じている場合は、長い時間同じ箇所を執拗に舐め続け、被毛が禿げたり皮膚を傷つけてしまうこともあるため注意が必要です。
もしも、毛づくろいが長いと感じた場合は、猫の様子を注意深く観察してストレスの原因を突き止めることが大事になります。
4.愛情表現
多頭飼育のお宅でよく見られる毛づくろいで、猫同士がお互いに体を舐め合う「アログルーミング」と呼ばれるものがあります。
アログルーミングは、お互いに心を開いて信頼し合っているときに行う愛情表現です。
自分では舐めることができない、頭や首、顎の下や耳の後ろなどを仲の良い猫同士で舐め合います。
猫は警戒心が強い動物ですので、心を許していない相手には体に触れられることも嫌がります。
そのため、アログルーミングをしている猫は、相手を大切に思っているということがわかりますね。
毛づくろいを全くしないのはおかしい?
猫にとって毛づくろいは、本能的に行う必要不可欠な行動ですので、急にしなくなるのは猫の体に異変が起きているサインかもしれません。
高齢猫は、関節の痛みや体力の低下が原因で、若い時のように毛づくろいができなくなることがあります。
また、太りすぎの猫はお腹の脂肪が邪魔をして毛づくろいができなくなる場合もあるようです。
毛づくろいができなくなると、毛が絡まって毛玉ができたり皮膚トラブルの原因になりますので、代わりに飼い主さんがブラッシングをしてあげるなどのサポートが必要です。
そのほか、口内炎や歯周病といった口腔内の病気が原因で毛づくろいができなくなる可能性もあります。
その場合は、食欲はあるか、よだれや口臭がないかなど注意深く観察して、病気の可能性があるようなら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、猫が毛づくろいをする理由についてお話しいたしました。
猫が毎日何気なく行っている毛づくろいは、体調管理や心を落ち着かせるなど、猫にとって大事な行動であることがわかりました。
猫に必要不可欠な行為ですが、禿げたり皮膚を傷つけてしまうほど過剰に毛づくろいをする場合は、強いストレスを感じていたり、体調不良のサインである可能性が高いため注意が必要です。
反対に、これまで日課だったはずの毛づくろいを全くしなくなった場合も、猫の体調に何か変化があらわれている証拠ですので、何か気になることがあれば動物病院を受診すると安心です。
猫が毛づくろいをしなくなった場合は、猫の代わりに飼い主さんがブラッシングをして、猫の体を清潔に保つサポートをしてあげてくださいね。