猫の致死率60%『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』原因や症状、予防法など

猫の致死率60%『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』原因や症状、予防法など

『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』という感染症をご存知でしょうか。猫が発症してしまうと致死率が60%にもなる危険な感染症です。SFTSの原因や症状、予防することはできるのかなどご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

ぐったりしている猫

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、SFTSウイルスによるダニ媒介感染症です。

SFTSは、日本・中国・韓国などで流行しており、感染症法では四類感染症に指定されています。SFTSには有効な治療薬やワクチンはなく、対症療法が行われます。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因や症状

マダニ

ここでは、SFTSの原因や症状について解説します。

SFTSの原因

SFTSウイルスは、主にフタトゲチマダニやタカサゴキララマダニなどのマダニに保有されており、マダニに噛まれることで感染します。

2011年に中国で発見され、その後2013年に日本でもヒトへの感染が確認されました。猫の感染例が発見されたのは2017年のことです。

マダニに噛まれるほか、猫同士の接触や他の動物との接触でも感染が確認されています。

SFTSの主な症状

SFTSウイルスの潜伏期間は6~14日と言われ、猫の症状は以下のようなものです。

• 元気・食欲消失
• 発熱
• 嘔吐
• 黄疸
• 血小板減少
• 白血球減少
• 肝酵素の上昇

重症の場合は、出血や多臓器不全を起こして死に至ることもあり、その致死率は約60~70%と非常に高いです。

また、SFTSは人や動物に共通して感染する「人獣共通感染症」で、感染した猫から飼い主や獣医療関係者にも感染する可能性がありますので、注意が必要となります。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の予防法

猫にスポット薬

SFTS予防のためには、とにかくマダニに噛まれないようにすることが重要です。

マダニ駆除剤の使用

動物病院で処方してもらえるマダニ駆除剤は、マダニの寄生を防ぐ効果があります。首筋に滴下する液体タイプのものが主流です。

猫の年齢や体重、健康状態に合わせて、適切な予防薬を選びましょう。

猫の身体をよくチェックする

マダニは肉眼で見える大きさなので、定期的に猫の身体を触って、こぶや異物がないか確認しましょう。特に耳や首、脇の下などに注意してください。

まとめ

猫 抱っこ

今回は猫が感染すると致死率が非常に高い、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について解説しました。

マダニを介して感染するウイルス性の感染症で、発症してしまうと対症療法しかありません。マダニに噛まれないように、駆除剤を利用するのが最適な予防法となります。

感染した猫の唾液や鼻水、眼脂などからヒトにも感染するため、まず猫がマダニに寄生されないようしっかりと予防をおこないましょう。

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