猫はどうしてクサくないの?
猫と一緒にいて気になるのは排泄物のニオイであり、猫の体をクサイと感じることはほぼないはずです。人間と違ってお風呂に入る習慣もないのに、どうして猫はクサくないのでしょうか?
猫の体臭が少ない理由のひとつは、野生時代に待ち伏せ型の狩りをしていたからです。獲物に自分の存在を気づかれると狩りが失敗してしまうため、猫は生きていくためにほぼ無臭の動物に進化したといわれています。
またそもそも体臭の原因は、汗をかいたときに皮膚にすみついている細菌が活発化して悪臭を放つことにあります。猫は肉球と鼻以外に汗をかかないので、もともと体臭が少ないのです。
さらに、こまめにグルーミングをする習慣があるのもポイント。猫の唾液には消臭効果があり、体をペロペロ舐めることでニオイを取り除くことができるのです。
猫からいいニオイがする理由
猫の体はほぼ無臭のはずなのに、いいニオイがするときもありますよね。どうして猫からいいニオイがするのか、考えられる4つの理由をご紹介します。
1.体に甘いニオイの成分が含まれている
猫のニオイについてミルクやバニラ、シロップのような甘いニオイがすると表現する飼い主さんは多いようです。猫から洋菓子のような甘いニオイがするのは、猫の体の成分に理由があります。
洋菓子の主な原材料といえば、バターや牛乳ですよね。猫の体にもバターや牛乳に似た動物性脂質とタンパク質が含まれており、それが猫の甘いニオイのもとになっていると考えられています。
2.フェロモンが分泌されている
猫の顔周りから甘いニオイを感じたときは、フェロモンの分泌が理由かもしれません。かつてフェロモンは猫同士でしか感じらえないうえに無臭なので、飼い主さんが愛猫のフェロモンを感じ取ることはできないといわれていました。
しかし最近の研究では、人も無意識に猫のフェロモンを感じているのではないかという説が出てきているそうです。今後研究が進めば、猫のいいニオイの理由がさらにわかるようになるかもしれませんね!
3.日向ぼっこでお日様のニオイになっている
猫の大好きなことといえば日向ぼっこです。日光を浴びると殺菌効果があるため、日向ぼっこをする猫は雑菌の繁殖による嫌なニオイを抑制できているといわれています。
また単に嫌なニオイがしないだけでなく、猫の体が布団や洗濯物を干したときのようにお日様のニオイになっていることも。
そもそもお日様のニオイとは、布団や洗濯物に付着していた汗や皮脂、洗剤などに太陽の紫外線が当たることで発せられるニオイなのだそうです。
猫の被毛にも汗や皮脂が付着しているため、太陽に当たることで心地よいお日様のニオイになるのでしょう。
4.周りのいいニオイが移りやすい
猫の体は1cm四方につき約600本もの毛が密集して生えているうえに、被毛が柔らかいため周りのニオイを吸収しやすいという特徴があります。
飼い主さんと一緒に過ごしているうちに、飼い主さんが使用している洗剤や柔軟剤の香りが愛猫の体に移ることも。
愛猫からいいニオイがするのは飼い主さんとしては嬉しいことですが、猫はニオイに敏感なので洗剤や柔軟剤の香りが苦手な子も少なくありません。
愛猫にとって香りがストレスになっているようなら、無香料のものを使うのがおすすめですよ。
まとめ
猫の体がクサくない理由と、いいニオイがするときに考えられる理由についてご紹介しました。猫のニオイを嗅ぐことは通称「猫吸い」と呼ばれており、愛猫のニオイが何よりの癒しという飼い主さんもいることでしょう。
ぜひ今後は「この甘いニオイはもしかしてフェロモン?」「さっき日向ぼっこをしていたからお日様のニオイがするかも?」などと考えながら愛猫のニオイをご堪能ください♪
とはいえしつこく嗅ぎすぎると「もうやめてっ」と怒られてしまうかもしれないので、ほどほどで我慢することも大切ですよ。