猫が安心する「抱き方」のコツとは
猫は拘束されることや、自分のペースを乱されることが苦手な動物です。ましてや抱っこはもってのほかでしょう。日々の生活の中で、抱っこに苦戦する飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫を飼っていれば、状況によってはどうしても抱っこせざるを得ない場面も登場します。いざという時に愛猫を抱っこできなければ、大変なことになってしまうかもしれません。
しかし猫が抱っこを嫌うのは拘束されたくないばかりではなく、もしかしたら「抱き方」に問題があるのかもしれません。実は、ちょっとしたコツを掴めばより抱っこがしやすくなるのをご存じでしょうか。
そこで今回は、猫の正しい「抱き方」や猫が安心して体をあずけてくれるコツを伝授いたします。愛猫の抱っこに苦戦している飼い主さんはぜひ確認してくださいね。
1.飼い主さんが低い姿勢を取る
猫を抱き寄せる際、まるで捕獲するかのように高い位置から持ち上げようとすると警戒されてしまいます。
そのような方法をしてしまうと愛猫にそのまま逃げられてしまい、せっかくの抱っこのチャンスを失ってしまうでしょう。
この失敗を防ぐには、飼い主さんご自身が愛猫の近くで低い姿勢を取ることが大切です。
2.そっと抱き寄せる
飼い主さんの姿勢が整ったら、まずは猫がお座りをしているところを抱き寄せてみましょう。
- 利き手と反対の手を猫の両脇に入れる
- そのまま上半身を持ち上げる
- 利き手でお尻を支えるように抱っこする
この方法であれば、お互いの体を密着させることができます。しっかりと安定するため、猫側も安心して身を委ねることができるでしょう。
3.首をつまんで抱き寄せる
猫が眠っている場合や、香箱座りをしている場合は、別の方法で抱き寄せます。
- 利き手で首(うなじ)を掴み上体を浮かせる
- 浮いた脇に反対の手を添えて抱き寄せる
- 利き手でお尻を支えて固定する
最終的な抱き方の姿勢は、常に同じです。その時々の猫の体勢に合わせて、抱き寄せ方を変えていきます。
ちなみに首を掴むのは、母猫が子猫を運ぶ際に見られる姿勢を応用したものになります。猫は子猫時代の名残りから、うなじをつまむとキュッと丸くなる習性を持っています。
傍から見ると強引に見えるかもしれませんが、意外と安全で、自然な体勢に持ち込みやすくなります。
4.両手で抱き寄せる
先程と同様に、お座り以外の姿勢から抱き寄せる場合の別バージョンを紹介いたします。
- 両手の親指と人差し指を肩甲骨に添わせる
- 両手の薬指と小指で前足の付け根を挟む
- そのままそっと持ち上げて膝に乗せる
- 胸周辺を掴むのはNG(胸部が圧迫されるため)
膝に乗せた後は、そのままの体勢で撫でても良いですし、基本のポーズに抱き直してもOKです。ただ、この抱き寄せ方は少々難易度が高いものです。
特に手が小さい方は、挟み込む段階で苦戦してしまうかもしれません。
そのような場合は、前足の付け根に利き手と反対の手をお腹側から添わせ、利き手で首を掴んで持ち上げる方法がおすすめです。
5.抵抗したら力を緩め再度引き寄せる
最後に、どのパターンにも共通した方法を紹介いたします。
猫を抱き寄せる段階で、既に抵抗されることがあるでしょう。そのような場合は、一旦力を緩めて、再度引き寄せるようにしてみてください。
ここで諦めてしまうと、本格的に抱っこをさせてくれない猫に育ってしまいます。
猫の抱っこは、通院時や危険を回避しなければならない場面で必要になるものです。愛猫が落ち着いている状況下で構わないので、定期的に訓練してみてください。
まとめ
今回は、猫の正しい「抱き方」へと繋がるコツを紹介いたしました。
ここで改めて重要なポイントを押さえておきましょう。
- 安定感のある抱き方をする
- 捕獲するのではなくそっと引き寄せる
- 抵抗されたら一旦力を緩めてリベンジする
最初は難しいかもしれません。それでも諦めずにチャレンジしてください。何事も場数を踏めばコツが身につきます。
この記事が、少しでも皆様の猫ライフに役立てれば嬉しいです。