猫の「喜怒哀楽」にまつわるトリビア
イマイチ何を考えているのかわからず、掴みどころのない猫。私達人間と同じく、「喜怒哀楽」のような感情は存在しているのでしょうか。
猫は人間とはまったく違う生き物のように見えている一方で、妙に人間っぽく見えてしまうこともありますよね。つまり、猫にも人間の「喜怒哀楽」のような感情の存在を否定できませんし、実際猫の「喜怒哀楽」に関する説はさまざまなものが耳に入ってきます。
そこで今回は、猫の「喜怒哀楽」にまつわるトリビアを紹介いたします。もちろん猫の性格によっても異なるとは思いますが、ぜひ愛猫の「喜怒哀楽」と比較してみてくださいね。
1.感情はあるが読みにくい
猫は人間ほど複雑な心境に至ることはないものの、「快」「不快」「恐怖」「興奮するほどワクワクする」などの感情を持っています。
しかし、表情筋が人間ほど発達していないため、基本的にこれらの気持ちが「顔」に出ることはありません。
猫が謎めいた動物だと印象付きやすい理由は、おそらく表情が乏しいからでしょう。
2.猫の「喜怒哀楽」はボディランゲージを読め
猫は豊かな表情を作ることが苦手です。しかし、人間にはないツールを通して、自分の感情を表現しています。
それは、しっぽや耳の動き。しっぽの向きや振り方、耳の角度などからおおよその気持ちを読み取ることができるのです。
猫同士はこのボディランゲージを駆使して相手の動きを予測したり、自分がどのような行動を取るべきなのかを考えたりしています。
3.最も強い感情は「怒」
猫が抱く「喜怒哀楽」の感情の中で、最も強くあらわにするものは「怒り」です。猫は元々単独で生活している動物なので、いざという時に「怒」をむき出しにしなければ命を落としてしまうからです。
例えば、獲物や縄張りを奪わそうになった時に、耳を横に寝かせて「シャーッ」という独特の声を発しながら威嚇します。更にこの時、必要に応じて攻撃することもあります。
このように、たくましく生き延びるための本能が「怒」の感情を強化したと思われます。
4.猫の「喜」や「楽」は狩りをすること
猫が生きるうえで喜びを感じ、ワクワクするような快感を得るのは、狩りをしている時です。これも「怒」の感情と同様に、生存本能が導き出したものになります。
猫は、「カサカサ」という音を聞きつけると、たちまち興奮状態になります。全神経を集中させ、ネズミや小動物の居場所を特定するのです。
このような場面の猫は、黒目が大きくなり、音をキャッチすべく耳が正面を向きます。
家猫の場合は、遊びの場面がこのシチュエーションと重なります。つまり、愛猫を喜ばせたいのであれば、狩りに見立てた遊びをおもちゃで再現することが重要です。
5.猫に「哀」の感情はない
猫は何かに心を痛めたり、悲しみにくれるという概念がありません。「喜怒哀楽」の感情のうち、人間と猫で唯一異なるのは、「哀」の感覚の存在です。
とはいえ、猫と暮らしていると、哀愁漂う表情を目にする機会があるでしょう。例えば、飼い主さんが外出しようとしていたり、同居動物が亡くなってしまったりするような場面です。
一見すると悲しそうに見えるのですが、実は環境の変化に対して「戸惑い」や「不安」を抱えているだけに過ぎません。
ちなみに猫は、「後悔する」という感情も皆無だといわれています。たとえ狩りに失敗しても、クヨクヨすることはなく前進するのみなのだそう。そうしなければ過酷なサバイバル生活は成り立たないのです。
6.「哀」はないが「愛」はある
猫の感情を紐解いてみると、生きることに必死なことがわかりますよね。どこかクールな印象すら持ってしまうのではないでしょうか。
そこで、最後に人間と共通する大切な感情があることを紹介したいと思います。それは「愛」です。
猫は母性本能が強い動物として名高い存在です。自分の子はもちろん、他所の子でも種を越えた存在でも、受け入れて育てます。
更に猫の愛情深さは育児に限ったことではありません。日頃お世話をしてくれる飼い主さんに対しても、愛を感じています。具体的に感謝をする感覚まではなくとも、「優しくしてくれる人」として心を許してくれるようになります。
飼い主さんに対する信頼が強い猫は、擦り寄って甘えたり、ゴロンと寝転がって急所を晒すようになります。
まとめ
今回は、猫の感情にまつわる6つのトリビアを紹介いたしました。
猫の場合は「喜怒哀楽」ではなく、「喜怒『愛』楽」が感情のベースなのですね。人にはあって猫にはない感情もあるなんて、なかなか面白いですよね。
より多くの「喜」や「楽」そして「愛」を引き出せるように、愛猫に積極的に話しかけて遊びに誘ってみてくださいね。