1.歯の状態
子猫を保護したときは、まず歯を見てみましょう。猫の乳歯が生えてくるのは、だいたい生後3週ぐらいからです。門歯、犬歯、臼歯の順で生え、生後2ヵ月ぐらいで生えそろいます。乳歯がどこまで生えているかで生後何ヵ月ごろなのか推察できるというわけです。
子猫を保護したけれど、永久歯がすべて生えているということもあるかもしれません。猫も人間のように歯が生え変わりますが、その時期はかなり早め。一般的に生後3ヵ月~7ヵ月ぐらいまでに永久歯が生えそろうことがほとんどなので、ざっくりですが永久歯がそろっていれば生後半年ほどと推察できます。
あきらかに成猫の場合は、歯の色である程度の年齢を見極めることができます。若い猫は真っ白でキレイな歯をしていますが、加齢によって徐々に黄色みを帯びてくるからです。黄色を通り越して黒ずんでいる、さらに歯肉炎や歯石がひどいというようであれば老猫といえます。
2.目の色や目ヤニの有無
猫の目が開くのは生後1週間ほど、視力がはっきりするのは2週間ほどなので、目の状態によって猫の月齢を知ることもできます。例えば目は開いているけれどいまいち焦点が合っていないようであれば、生後1週間から2週間の間と考えられます。
猫も歳を取ると、目ヤニがひどくなったり、眼球が白く濁ったりすることがあります。保護した猫の目ヤニや涙がひどい、目の色が曇っているのであれば、11歳を過ぎている可能性が高いです。
3.被毛の状態
被毛で年齢を絞り込むこともできます。若い猫の被毛はフワフワと柔らかくツヤがありますが、老猫になるとパサパサになってくるからです。毛の密度が減って薄毛になったり、ところどころ白髪が混じることもあります。
ただし長いこと外で生きてきた猫は、飼い猫よりも被毛が傷みやすい傾向があります。栄養状態も悪くブラッシングもしていなければ、本当は若いのにパサパサになっているということも少なくありません。被毛を見るときは飼い猫と比べない方がいいでしょう。
また被毛を触るときに、筋肉量も確かめてみてください。若ければ若いほど筋肉量が多く、体が引き締まっています。6歳から8歳ごろが最も脂肪が多く、12歳を過ぎるとだんだんと痩せてくるのが一般的です。
4.疾患の有無
年齢によってなりやすい猫の病気もあるため、抱えている疾患から年齢を考えてみるのもいいでしょう。例えば0歳の子猫は下痢や嘔吐などの消化器疾患になりやすいというデータがあります。これは子猫が感染症にかかりやすいためで、なんらかの感染症から消化器疾患になってしまっているといえるでしょう。
また中高齢になると泌尿器系の疾患や腎臓病などの循環器疾患、お口周りの疾患が増えてきます。他には腫瘍や甲状腺機能亢進症の割合が増加します。
そもそも歳を取ると体力が落ちてくるので、老齢であればあるほど動き回ることを嫌う傾向があります。ジャンプをしたがらないなどの行動があれば、保護した猫は相当歳を取っていると考えられます。
まとめ
個体によって成長速度に差があるため、今回ご紹介したチェックポイントが絶対とは限りません。そのため動物病院では、さまざまな要素を加味した上で推定年齢を導き出します。栄養管理や病気の心構えのために、保護した猫の年齢を推察するのはとても大切なことなのです。