猫の輪廻天性にまつわる風説3選
1.猫の九生あり
日本には「猫の九生あり」という言い伝えがあるのをご存じですか?これには「9つの命をもつ猫は、一度死んでしまってもあと8回は生まれ変わる」といった意味があります。
猫は高い場所から落下しても軽傷で済むことが多かったり、さまざまな病気に強いといわれますが、このようなことから「猫が強い生命力を持っていて、困難な状況から立ち直ることができる」という信念がうまれ、それに基づいてできた言葉です。
つまり猫の身体的な特性から、「猫は普通の動物とは異なり複数の命を持っているのではないか」と古くから信じられてきたのです。
2.毛皮を着替えて戻ってくる
亡くなった猫は「毛皮を着替えて戻ってくる」との言い伝えもあります。
これは猫には9つの命があるという説にも関係があり、一度死んだ猫が新しい毛皮(=新しい命)を得て蘇る、という考え方だと言われています。
猫に生まれ変わりがあると信じる人は、亡くなった猫とよく似た猫が現れたり、亡くなった猫が好んでいた場所で新しい猫が現れたりした場合、それが「着替えた毛皮で戻ってきた」証拠と感じることもあるようです。
3.猫は1年で生まれ変わる
猫の輪廻転生は科学的に証明されていないため、いつ生まれ変わるのかは明確にわかりません。
亡くなってすぐ生まれ変わるという説、100日後に生まれ変わるという説など、さまざまです。ただ日本では「1年で生まれ変わる」という説がよくいわれます。
この説は猫の魂がある程度の期間を置いてから転生する、というもの。1年程度の期間を置くことで、以前の生とのつながりが薄れ新しい個体として完全に生まれ変わる、とする見方ですね。
はっきりした期間は不明ですが、多くの飼い主は「この猫はあの猫の生まれ変わり」と強く感じることがあるようで、その思いが途切れることなく新しい出会いへと連なっている証しなのかもしれません。
猫の生まれ変わりの「サイン」とは?
猫の生まれ変わりのサインは、次のようなものです。
ただこれらは個々の信念や経験に基づくものであり、科学的な裏付けはありません。しかし多くの人々にとって、亡くなった猫との絆を感じる手がかりとなっています。
容姿が似た猫が現れた
猫を亡くした経験をもつ人の中には亡くなった猫が生まれ変わった証拠として、以前の猫に容姿がそっくりな子猫が現れた、という経験をする人がいるようです。
確かに亡くなった猫と同じような猫を見かけると、その猫に亡くなった猫の面影を重ねてしまうものです。また亡くなった猫を忘れられない気持ちや、その猫がまだ近くにいるような感覚を抱いている場合は、その猫を生まれ変わりとして受け入れやすいのかもしれません。
たとえば以前飼っていた猫が黒猫だった場合、同じ黒猫の猫が現れることで「この子はあの猫の生まれ変わりだ」と感じたり。
毛色はもちろんのこと、目の色や毛の模様、体型など、見た目が以前の猫にそっくりな個体に出会った時、それが運命的な再会だと直感する人もいるでしょう。
視線を離せなくなる
新しい猫に出会った際、視線を離せなくなるケースもあります。
これは以前飼っていた猫の生まれ変わりとの出会いを示すサインのひとつとされていて、亡くなった猫の魂がもう一度飼い主に出会うために、アピールしているものといわれています。
飼い主は「唐突な再会を実感した時の驚きと喜びが入り混じった心境」が、身体の反応となって現れるのかもしれません。
運命を感じる
新しい猫との出会いのときに、「この猫とは運命的なつながりがある」と強く感じる飼い主もいます。まさに「運命の出会い」といったように、直感的に「この子だ」と感じるようです。
たとえば以前飼っていた猫が好んでいた場所で新しい猫に出会った時や、性格や行動パターンが以前の猫にそっくりだった時など、偶然を超えた必然性を感じ取り、これは生まれ変わりのサインだと直感する飼い主もいるのです。
すぐに懐いた
新しい猫を家族に迎えて「すぐに懐いた猫」を、生まれ変わりと感じる人もいます。通常ほとんどの猫が人に慣れるのに時間がかかるのに、その猫は異例のスピードで懐いたというものだったり…。
この「すぐに懐いた」という飼い主の反応は、以前からの馴染みの関係がある証拠。つまりその猫は生まれ変わりだと直感するようです。
確かに猫を人に慣れさせるには時間がかかります。その常識からかけ離れすぐに懐いてくるのは、魂のつながりを示していると感じられるのも無理はないでしょう。
まとめ
猫の「輪廻転生」には科学的な裏付けはありませんが、そこには猫への思いが込められていることが分かります。
大切な愛猫を看取ることは飼い主にとって耐えがたいものです。しかし、だからこそ、猫の「生まれ変わりへの期待」は、猫との絆を保つ思いの表れとして尊重されるべきなのかもしれません。
輪廻転生を信じるか信じないか、迷信である以上それは人それぞれです。しかしもし実際に愛猫が亡くなってしまったときに、その思いを新しい導きの糸にしていくのもいいのではないかと思います。