猫の「帰巣本能」について考えられる5つの説
動物は遠い場所からでも「帰巣本能」を使って帰宅することが可能、という説はよく耳にしますよね。犬についてはよく聞かれる話ですが、『猫にも帰巣本能が存在する』という説もあるようです。
そこで今回は、猫の「帰巣本能」について考えられる説について調べてみました。本当に猫にも「帰巣本能」はあるのでしょうか。
1.磁場を感じることで帰宅が可能
多くの動物は、磁場を感じることができる、と言われています。渡り鳥などは磁場を感知できるため、正確な方向感覚を持つと考えられています。
屋根付きの迷路で行われた猫の実験では、自分の家の方向を探し当てることができた、という結果になり、猫も磁場を感じていると考えればこの結果にも納得がいくのではないでしょうか。
さらに、『磁力のあるものをつけた猫は、方向がわからなくなった』という結果だったそうです。
2.太陽の位置から自宅の方向を割り出せる
伝書鳩は、太陽の位置から自分の戻るべき場所を見つけています。猫にもその力があるのではないか、と考えられているのです。
猫には、太陽の位置から時間を感じる体内時計があります。自分の戻るべき場所から離れると、太陽の位置と体内時計にズレが生じ、そのズレから帰る方向がわかるのではないか、という説です。
季節や時間帯から太陽の位置を見て割り出しているとすると、とても高度なテクニックのように感じられますね。
3.感覚から地図を作っている
猫の視覚や嗅覚などの感覚をもとに、頭の中に「感覚地図」という地図を作っている、という説があります。
その地図をたよりに、家に戻ろうとするのです。
4.方向細胞が機能している
「方向細胞」という脳細胞が、自分が行きたい目的地の方向を察知している、という説です。
『視覚情報がなくても、方向細胞が反応する』と言われています。
5.能力を組み合わせている
猫の帰巣本能についていろいろな説がありますが、ひとつの方法で家を目指すのではなく、複数の能力を組み合わせていると考えられています。
ざっくりとした見解ではありますが、「絶対これ!」という断言ができない以上、このような見解も捨てきれません。
全ての猫に帰巣本能があるわけではない
何kmも離れた場所から家に帰ってこられる猫がいたり、太陽や体内時計、磁場によって帰るべき方向がわかるなど、猫の帰巣本能についてはさまざまな説があります。
しかし、実際はすべての猫にあてはまるわけではありません。人でもよく道に迷ってしまう人がいるように、猫にも帰巣本能に優れた猫とそうでない猫がいるでしょう。
猫には縄張りというものがあり、侵入者がいると縄張りの主に威嚇や攻撃をされ追い出されてしまうことがあります。そうやってどんどん知らない場所へ追い立てられてしまい、家に帰って来られなくなる猫もいるのです。
つまり「猫には帰巣本能があるから大丈夫」と過信してはいけません。いざというときに備えて、ドアや窓の脱走対策やマイクロチップ装着など、飼い主としてできる全ての準備をしておく必要があるのです。
まとめ
たとえ愛猫が行方不明になっても、「帰巣本能」で自宅へ戻って来てくれたらうれしいですよね。
猫の帰巣本能は、太陽、体内時計、磁場、感覚などからいくつかの説が考えられています。
猫の帰巣本能を信じたいところですが、過信せず愛猫に脱走対策やマイクロチップを埋め込むなど、飼い主として出来る迷子対策をしっかりと行っておきましょう。