猫の『耳毛』は処理すべき?そもそもの役割や、処理した方がいいケースをご紹介

猫の『耳毛』は処理すべき?そもそもの役割や、処理した方がいいケースをご紹介

猫の耳のまわりに生えている「耳毛」は、長さや毛量にも個体差があるため、猫のチャームポイントにもなっていますよね。しかし場合によっては、耳毛が原因で猫の生活に支障をきたしてしまうこともあります。そんなとき、猫の耳毛は処理しても問題はないのでしょうか。耳毛の役割を知り、状況に合わせた適切な対処をしてあげましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の「耳毛」の役割とは?

猫の耳毛

猫の耳毛は、耳の中を保護することや体のバランス感覚をつかむ役割があるため、人が手を加えて整えたり処理したりする必要はありません。

耳毛があることによって虫や異物などが耳の中に入り込むのを防ぐことができるので、外部からのトラブルを受けにくくします。

他にも、物音や状況をいち早く察知できるのも耳毛状況に合わせた反応猫のヒゲと同じように体のバランスがとりやすくなりますので、正確なジャンプや俊敏な動きをすることの多い猫には必要不可欠です。

猫の耳毛の処理が必要なケース

猫の耳チェック

基本的に猫の耳毛は処理する必要性はありませんが、耳毛の状態によっては適度に整えなければならないケースもあります。

耳毛が絡まっているとき

猫のフワフワした耳毛は、空気中のホコリや小さなゴミが耳毛に付着しやすいため毛が絡まってしまうことも少なくありません。

何かの拍子に異物が耳毛に付いてしまったことが原因で絡まると、猫が不快感を感じてしまいます。また、状態によっては痛みを耳の皮膚が引っ張られてしまって痛みがある場合もあるでしょう。

そんなときは、絡まっているところをカットしてあげたり、コームを使って優しくほどいてあげましょう。

耳毛によって通気性を妨げているとき

猫の耳穴をふさいでしまうほどの耳毛が生えている場合、通気性が悪いことが原因で外耳炎を引き起こす場合があります。猫の耳が汚れている状態が続くと、細菌の繁殖や炎症なども起こりやすくなるため定期的なチェックが必要です。

猫種によっては耳毛の長さや毛量が異なるので、耳毛の毛量が多すぎる場合は適切な長さにカットすることを検討してみましょう。

猫カビのような耳まわりのトラブルが起きたとき

猫カビの耳への感染がみられた場合、カビの増殖を抑えるために耳毛を処理しなければならないことがあります。

猫カビの症状には、皮膚に赤みや脱毛がみられ、フケが目立ったり耳を痒がったりする様子があります。

気になる症状がみられたら、感染が拡大しないように動物病院で適切な処置を受けるようにしましょう。

まとめ

爪とぎの上にいる猫

猫の耳毛は、体のバランス感覚に関与していることや異物の混入を防ぐなど、安全な暮らしをするために必要な役割を持っています。

猫によって毛の長さや毛量が異なりますが、それぞれの猫に合った耳毛が生まれつき生えています。健康上のトラブルにつながらないようであれば、耳毛を処理せずにそのままにしておいてあげましょう。

猫の耳まわりは、とてもデリケートなところです。無理やり耳毛をカットしようとすれば、猫に大きなストレスや誤って耳を傷つけてしまうおそれがあります。

耳毛を処理することが適切かどうかがわからないときは、かかりつけの獣医師に相談することが大切です。

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