猫のご飯、適正なカロリーとは?計算式や、ごはんの量の測り方など

猫のご飯、適正なカロリーとは?計算式や、ごはんの量の測り方など

猫も人間と同じように、適切な食事管理は健康に欠かせません。そのため飼い主は、できる限り猫の年齢・体重・活動量などを考慮した計算式を理解して、その結果から適切な食事を提供したいものです。とはいえ愛猫の適切な食事量など、しっかり把握している飼い主さんは少ないはずです。そこで今回は、猫にとっての適正なカロリーと、計算方法やフード量の計測の仕方など詳しく解説します。猫の飼い主さん必見の内容です。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

適正なカロリー量とは?

タブレットでカロリー計算をする女性

猫にとっての適正なカロリー量とは、猫の普段の生活の中で健康的な体型を維持することができるカロリーの量です。

その量は次のように、猫の体重・体型・ライフステージ・活動量・体質などの要因によって変わってきます。

体重

体重が重い猫は、軽い猫よりも多くのカロリーを必要とします。逆に、体重が軽い猫は、少ないカロリーで済みます。

体型

適正な体型を維持している猫は、脂肪がほどよくついていて、肋骨や腰骨は触れるけれども見えない状態です。

骨が出すぎていたり、反対に骨が触れられない状態は、カロリー不足やカロリーの摂り過ぎであると判断できます。

ライフステージ

成長期の猫は、成猫よりも多くのカロリーを必要とします。また、妊娠期や授乳期の猫も、通常の2~4倍のエネルギーが必要となります。

一方活動量の減ったシニア猫は、成猫のようなカロリー量は必要ではありません。

活動量

運動量が多い猫は、少ない猫よりも多くのカロリーを必要とします。

これは年齢に関係なく若い猫でもあまり動かない猫であれば、その分カロリー量を見直す必要がありますし、活発な猫はカロリー量を増やすことを検討する必要があるということです。

体質

体質によって太りやすい猫は、カロリー量には注意が必要です。

たとえばマンチカン・アメリカンショートヘア・茶トラ猫のオス・ブリティッシュショートヘアといった品種は太りやすいといわれています。

また避妊・去勢手術を済ませた猫も太りやすいといわれているため、その後のカロリー量の調整が必要です。

猫の適切なカロリー量を求める計算式は?

電卓とボールペン

猫の適切なカロリーを求める計算式はいくつかありますが、一般的な計算方法は安静時のエネルギー必要量をもとに算出するものです。

①安静時の必要エネルギー(RER)を算出する

RERとは「Resting Energy Requirement」の略で、猫が生きるためだけに必要なカロリー量のことをいいます。つまり一歩たりとも動かない猫であっても、必ず必要とするカロリー量のことです。

計算式は、次の通りです。

【RER(kcal)=体重(kg)×30+70】

仮に4.5㎏の猫がいるとすれば、少なくとも205kcalが必要ということになります。

②RERをもとに1日の必要エネルギー量(DER)を算出する

DERとは「Daily Energy Requirement」の略で、1日過ごすのに必要な総エネルギー量のことです。

つまり走ったり食べたり寝たりする、猫の1日に必要とされるエネルギー量ということ。これが多すぎれば肥満につながり、少なすぎると痩せにつながります。

DERは、RERに猫の状態やライフステージによって異なる数字をかけて、おおよその値を求めます。

【猫のライフステージ別】

  • 子猫(生後1歳まで):×2.5
  • 未避妊未去勢の猫:×1.6
  • 避妊去勢済みの猫:×1.4
  • 妊娠中の猫:×2.0
  • 授乳中の猫:×2.0~6.0
  • シニア猫:×1.1

【猫のコンディション別】

  • 活発な成猫:×1.6
  • 非活動的な猫:×1.0
  • 減量中の猫:×0.8
  • 増量中の猫:×1.2
  • 安静状態の猫:×1.0

たとえば4.5㎏のとても活発な猫だとしたら、先ほど求めたRER=205に1.6をかけた328kcalが1日に必要なエネルギー量というわけです。

猫のフードの測り方は?

デジタルスケール

フードは種類によって含まれるエネルギー量が異なるため、パッケージ裏面に記載のあるエネルギー量をもとにフードの量を調整しなければいけません。

多くのフードは100ℊあたりのエネルギー量が記載されているので、先述した計算式で求めた適正なカロリー量とパッケージに記載される目安量をもとに、フードの量を調整しましょう。

たとえば先ほどの活発な4.5㎏の猫(DER=328kcal)の例で考えると、340kcal/100gのフードを与える場合は、96gが1日に与えるフードの量となります。そしてそれを食事回数で割ったものが、1回あたりの量というわけです。

なおフードを測るときは、目分量ではなく、はかりを使って測るのがおすすめです。

まとめ

さまざまな食材と猫

猫の適正なカロリー量は、猫自身のさまざまな要因によって変わってきます。そのため猫それぞれによって、必要なカロリー量というのは微妙に異なるものです。

ぜひ今回紹介した計算式やごはんの量の測り方を参考に、愛猫の適正なカロリー量を計算してみてくださいね。健康的な食事管理を心がけて、猫の健康寿命をサポートしてあげましょう♪

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