猫がよく「吸う」もの4選 なぜチュパチュパしちゃうの?やめさせたほうがいい?

猫がよく「吸う」もの4選 なぜチュパチュパしちゃうの?やめさせたほうがいい?

母猫のお乳を吸うように、飼い主さんの指ややわらかい毛布などをチュパチュパ吸う姿はとても可愛いらしいものです。とはいえ「ずっと吸い続けてていいの?」「やめさせたほうがいいの?」と不安に思う飼い主さんも多いでしょう。そこでこの記事では、猫がよく「吸う」ものを4つ紹介し、吸ってしまう理由や、やめさせるべきかなどを詳しく解説します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.飼い主さんの指や耳たぶ

.飼い主の指を吸う猫

猫が飼い主さんの指や耳たぶを吸うのは、子猫の頃の行動が成猫になっても続いている可能性が高いです。母猫のお乳を吸っていたときの安心感を思い出して、柔らかい指や耳たぶを吸ってしまうのでしょう。

特に、はやくに母猫から離されてしまった猫は、この行動をとることが多いと言われています。吸うこと自体は悪いことではありませんが、飼い主さんの指や耳たぶがただれてしまうような場合は、やめさせたほうが良いでしょう。

なお、あまりにもしつこく吸ってくる場合は、不安やストレスを抱えている可能性もあります。愛猫の様子をよく観察して、不安材料を取り除いてあげるようにしましょう。

2.自分の肉球やしっぽ

.自分の肉球を吸う猫

猫が自分の肉球やしっぽを吸うのは、安心したい気持ちや寂しさを紛らわしたいという気持ちがあるためです。母猫のお乳を吸っているときのような安心感を求めていたり、留守番中の寂しさを紛らわしたい…などの理由が考えられます。

子猫にはよく見られる行動ですが、成猫になっても続くようであれば、満たされない寂しさやストレスがあるのかもしれません。愛猫と一緒に過ごす時間を増やして、寂しさや不安をやわらげてあげてください。

なお、肉球やしっぽを傷つけてしまうほど激しく吸っている場合は、皮膚炎や常同障害などの精神疾患など、他の原因が隠れている可能性があります。愛猫の体に異変がないかをチェックし、必要に応じて動物病院を受診しましょう。

3.ぬいぐるみやおもちゃ

.おもちゃを吸う猫

猫がぬいぐるみやおもちゃを吸うのは、母猫のお乳を吸っていたときの名残である可能性が高いです。特にやわらかいぬいぐるみは、母猫の感触を思い起こさせるため、猫にとっては心地よいものなのかもしれません。

この行動は猫がリラックスしているときに多く見られます。吸うこと自体に問題はありませんが、飲み込んでしまうと「腸閉塞」を起こすなどの危険性があります。ぬいぐるみを噛みちぎっていないか、おもちゃが壊れていないかなどを毎日チェックするようにしましょう。

4.やわらかい毛布や布

.毛布の上で横になる猫

猫がやわらかい毛布や布を吸うのは、子猫の頃に満たされなかった愛情を求めているからだと考えられます。早い時期に母猫から離された子猫は、母猫から十分な愛情を受け、徐々に自立していくという段階的な社会化ができていません。やさしい母猫のお乳を吸うように、あたたかくてやわらかい毛布や布に吸い付いてしまうのでしょう。

この毛布や布を吸う行動は「ウールサッキング」と呼ばれています。可愛らしい仕草ではありますが、実は危険な行為でもあります。

なぜなら、強く吸ったり引っ張ったりした際に、布が破れて飲み込んでしまう危険性があるからです。最悪の場合、飲み込んだ布が腸に詰まって「腸閉塞」を引き起こすことがあります。腸閉塞は外科手術が必要になる場合もあり、放っておくと死に至るため、絶対に防がないといけません。

飲み込まずにたまに毛布や布を吸っているだけなら問題ありませんが、激しく噛みちぎる仕草などが見られる場合は、やめさせたほうが良いです。対象物を猫の見えないところに隠して様子を見てみましょう。

なおウールサッキングは、気持ちが不安定になっている場合にも起こるので、愛猫がストレスや不安を抱えていないかをチェックしてあげてください。

まとめ

.母猫に甘える子猫

猫が飼い主さんの指や自分の肉球、やわらかい毛布などを吸ってしまうのは、主に母猫のお乳を吸っていたときの名残であると考えられます。はやくに母猫から離されてしまった猫は、大人になってもよくこの行動をとることがあるようです。

「甘えたい」「安心したい」といった気持ちのあらわれですので、母猫代わりの飼い主さんは、愛猫の気持ちに応え、たくさん甘えさせてあげてください。

ただし、飼い主さんの耳や自分の肉球を傷つけたり、布を引きちぎってしまうほど強く吸う場合はやめさせたほうがよいでしょう。ストレスを抱えている可能性もあるため、愛猫の様子をよく観察して、不安材料を取り除いてあげてください。

また、対策をしても自傷や誤飲が起きる場合は、身体や精神面の病気の可能性があります。動物病院を受診し、治療について相談してください。

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