猫の「おねだりポーズ」は信頼関係の証?!
SNSやテレビコマーシャルで、ご飯を要求するためにベルを何度も鳴らしている猫や、後ろ脚で立ち上がって両手を合わせたポーズをしている猫などの映像を目にされた方も多いのではないでしょうか。
このように、猫は飼い主さんに向かって自分の要求を伝えようと「おねだりのポーズ」を見せることがあります。
そもそも、子猫が母猫に対して行うおねだりの行動は、遺伝や習性などにより自然と出てくる行動ですよね。
一方飼い猫が飼い主さんに対して行う行動は、母猫に見せるのと同じ遺伝や習性が起因している場合もありますが、その多くは、それまでの飼い主さんとの関係性の中から自然と身につけた行動であることが多いのです。
そのため、先程例に挙げたような飼い猫が見せるおねだりポーズは、飼い主さんだけに通じる必殺の決めポーズであることが多いです。その証拠に、愛猫からの必殺ポーズを目にして、何を要求されているのかが分かる飼い主さんも少なくありません。
とはいえ、猫の思考の方法や体の構造を考えると、概ね飼い主さんに見せるおねだりの必殺ポーズにはパターンがあるといえるでしょう。
そこで今回は、飼い猫が飼い主さんによく見せる代表的な「おねだりポーズ」について考えてみたいと思います。
猫の必殺「おねだりポーズ」
ではここからは、具体的に猫の「おねだりポーズ」について考えていきたいと思います。愛猫の「おねだりポーズ」を目にしたら、然るべき対応が必要かもしれません。
1.自分の体をこすりつける
飼い主さんにすり寄って行き、自分の体を飼い主さんにこすりつけるようにする猫もいます。
以前このようにしたら気づいてもらえて、遊んでもらったりおやつを貰ったりしたという経験を持つ猫は、特にこの方法を多用するかもしれません。
ただし、飼い主さんの帰宅後に足元にすり寄り、自分の体を飼い主さんの足にこすりつけるのは、単に猫の挨拶行動の一種でありおねだりではありません。
2.少し離れた場所からじっと見つめる
猫はもともと、少し離れた場所から飼い主さんのことをじっと見つめていることが多いです。しかし、おねだりをしたいことがある場合は、いつも以上に強い視線でじっと見つめます。
誰かに観られている気がして振り返ると、愛猫が熱い視線で自分のことをじっとみつめていた…などという経験もあるかもしれません。
そろそろ御飯の時間なのに準備を始める様子がない、一緒に遊びたい、トイレが汚れているから掃除をしてほしいなど、要求の内容は愛猫の様子や周囲の状況から判断しましょう。
3.飼い主の体を前脚でつつく
飼い主さんがパソコンや本、テレビなどに夢中になっていると、鳴き声では気づいてもらえないため、直接的な行動を取る猫もいます。
直接飼い主さんの体を自分の前脚でちょんちょんとつつくのです。遊んでほしい、かまってほしいなどのスキンシップを求めている時に見せることが多いかもしれません。
4.独特のポージングや行動
冒頭でお話したような、手を合わせるように直立したり、テーブル上のベルを鳴らしたり、お腹を上に向けて寝そべった姿勢で体をくねらせたりというような、上記で解説した以外の、その猫独自のポーズや行動を見せる子もいます。
これらのポーズや行動は、飼い主さんが教え込んだもの以外にも、たまたまそのポーズをした時になでてもらえたりおやつを貰えたりした経験を持ち、自然と身につけた猫もいるようです。
いくらかわいくてもお応えしないほうがいい場合も
猫からのおねだりには、さまざまな内容があります。「腹ペコだ!」とか「トイレが汚くて使えません!」とか「暇なら一緒に遊ぼうよ!」などといった具合です。
気をつけなければならないのは、「もっと食べたいです!」という要求です。
自分の力で狩りをして獲物を捕まえる必要のない飼い猫たちは、栄養過多になりがちです。栄養過多は肥満を招き、肥満は多くの病気の原因になります。愛猫のためにも、「食べたい、食べたい!」というおねだりには気をつけましょう。
猫の可愛い仕草にほだされて、ついおやつや人間用の食事をあげてしまう飼い主さんもいます。しかし愛猫が「このポーズをするとご馳走がもらえる」と勘違いしてしまうため、飼い主さんはくれぐれも愛猫への対応には気をつけましょう。
まとめ
猫と人間のコミュニケーションは、お互いに共通の言葉を持っていないため、とても難しいです。
しかし長く一緒に暮らすことで、お互いに理解できるようになり、両者の間にだけ通じる方法が編み出されます。
どうかすべての飼い猫と飼い主さんの間に、独創的で魅力的なコミュニケーション手段が確立されますように!