愛猫が毛づくろいをしない場合に考えられる原因
猫はせっせと毛づくろいをする動物です。これは単なるイメージだけではなく、実際に日課として猫が大切にしている行動です。
そのため、そんな日課のはずの行動をあまり見かけなくなると、なんだか心配になりますよね。
そこで今回は、猫が毛づくろいをしなくなる場合に考えられる原因を紹介いたします。
1.加齢
猫の初老は7歳頃といわれ、10歳を過ぎたあたりから本格的にシニアの仲間入りを果たします。見た目はまだまだ若々しいと感じられたとしても、徐々に体力や身体の柔軟性が落ちてくる時期です。
猫は、睡眠の次に多くの時間を毛づくろいに費やします。全身を網羅するには相当なエネルギーを要するため、高齢の猫は毛づくろいの頻度が落ちてしまいます。
また、加齢によって全身の関節が硬くなることも要因のひとつで、このせいで物理的に毛づくろいが難しくなるケースもあります。そのため、加齢が原因で毛づくろいができなくなってしまった場合、飼い主さんがケアをしてあげることが重要です。
そもそも毛づくろいには「身なりを清潔にする」「血行を促す」「リラックス効果を得る」などの役割があります。これまで大切にしてきた日課と皮膚の健康を守るために、愛猫のためにブラッシングをしたり、蒸しタオルで身体を拭き取ってあげたりすると良いでしょう。
2.肥満
肥満体型の猫は、往々にして毛づくろいをしにくくなる傾向があります。正確には、できなくなってしまいます。脂肪によって身体の動きが制限されてしまった結果、毛づくろいをしたい場所に舌が届かなくなってしまうのです。
この場合はダイエットが必要になります。「フードをダイエット食に切替える」「おやつを控える」「知育玩具を用いて運動させる」などの方法を取り入れてみてください。
尚、人間のようなストイックなダイエットは絶対にやめてください。必要や栄養素は食事で取りつつ、ダイエット食にすることや量を減らして熱量をおさえることで調整します。極端な食事制限は命に関わる恐れがあるので避けましょう。肥満な猫の運動も体への負担がかかるためおすすめできません。
3.ストレスが溜まっている
『猫はストレスを受けると毛づくろいが増える』といいますが、逆に無気力状態に陥って回数が減るケースもあります。そのような場合は他にも「何となく元気がない」「食欲が落ちている」「興味や好奇心が突然消失する」などの症状が見られます。
猫もストレスが持続すればうつ病になる恐れがありますし、その他の病気に発展する可能性もあります。
何か思いあたる原因がある場合は、少しずつ環境を整えていきましょう。不明の場合でも、愛猫がリラックスできるように配慮してあげてください。
4.口腔トラブル
歯周病や口内炎、舌炎などを患ってしまった猫は、痛みや違和感のために毛づくろいができなくなることがあります。
最近毛づくろいのペースが落ちたと感じるうえに、口臭がある場合は要注意です。まずは口腔トラブルの原因を探るために動物病院を受診してください。
猫の口内炎は難治性のものが多いので、異変に気づいたら速やかに行動するのが吉です。獣医さんのアドバイスの元、根本的な病気を治療していきましょう。
まとめ
個体差はありますが、猫はにおいを気にする動物なので、余程の理由がない限り毛づくろいをやめてしまうことは少ないとされています。そのため、(うちの子は最近あまり毛づくろいをしない…)と感じる飼い主さんは、今一度今回解説したポイントをよく観察し、それぞれに合った対応をしてあげてください。
そのうち、加齢が理由の場合については、飼い主さんの積極的なケアが必要です。ブラッシング・身体を拭く・手ぐしで被毛を整えるなどを定期的にしてあげましょう。
猫の毛づくろいは、健康のバロメーターです。皆様の愛猫の毛づくろい事情はいかがでしょうか。