愛猫と一緒に散歩を楽しむカップル
ニュージーランド最大の都市オークランドに住むカップルKaitlin SmithさんとDarian Hurnさんは、大の猫好き。
愛猫のPumaとNeoを子猫時代から訓練して、ハーネスとリードをつけて一緒に散歩ができるようにしました。とくにNeoは、犬と一緒に公園を走り回るのが楽しそうです。
ふだんは野鳥などを守るために室内飼いにしていますが、猫たちにも新鮮な空気を吸わせて運動ができるよう、2人は心掛けています。
しかし最近、とても不愉快な思いをしました。週末にリードをつけた猫たちと自然公園を散歩していたところ、登山服を着た男性がけんか腰で近づいて来ました。森林警備員(レンジャー)だというその人は、猫を連れている2人をなじるのです。
Kaitlinさんは事前に市役所に電話して、「犬がリードをつけて散歩できるコースなら猫と歩いてもよい」ことを確認していました。これまで何ヵ月もそれで問題はなかったのです。
「その男性は近づいてきて叫びました。ここに来てはダメだというのです。携帯電話で撮影し、管理事務所に連絡するというではありませんか」
リードをつけた猫にも散歩の権利がある?
その場で市役所に電話をすると、今度は公園管理を担当する上級官が応答しました。彼は「その男性はレンジャーではなく、単に熱心な市民です。しかし公園内への犬以外の動物の連れ込みは禁止です」というのです。
「実際には、リードをつけずに犬を2頭もつれて公園を訪れる人もいます。きちんとつないだ猫はなぜいけないのでしょうか。うちの猫はマイクロチップをつけており、データ登録されています。ノミ予防やワクチン接種もすませています。それに、公園内には外飼いの猫たちが自由に出入りしているではありませんか」とDarianさん。
2人は猫を室内飼いにすることには賛成です。しかし犬の散歩が許されるなら、猫にだってその権利はあるはず。犬も野生動物を殺すことがあるのだから、犬か猫かにかかわらず、ペットの行動を規制するのは飼い主の責任だと主張しています。
捕食動物から野生の生き物を守る活動を続けている「Predator Free New Zealand」の代表Jessi Morganさんも、こうした規制の中には首尾一貫しない内容があることを認めています。
「多くの飼い主が猫を室内飼いするようになれば、リードで散歩させることも必要です。海外では一般的です。今後はニュージーランド国内でも増えてくるでしょう」と彼女はいいます。
飼主の責任ある行動が重要
先ごろ環境特別委員会が「猫には飼い主の責任でマイクロチップを装着し、避妊手術を行うことを義務づけるべき」という勧告を行いました。
Jessiさんは大賛成です。野生動物が生息する場所に近い区域を「完全室内飼いを義務化するゾーン」に指定する方向へと道を開くことができるからです。そのゾーンでは、猫にリードをつけて散歩できる場所も法定されるかもしれません。
オークランド市議会のアドバイザーImogen Bassett博士は、市民に向け犬猫の責任ある飼い方を推進するとともに、野生動物への配慮を求めています。
「もし裏庭で子供たちとピクニック中にライオンが走ってきたら、恐怖に震えることでしょう。野生動物にとっても(犬猫は)同様なのです。猫を室内飼いにすることを求める以上、リードでつないだ猫を公園内で散歩させたいと飼い主が思うのは理解できます。でもその際は、地元の小規模公園や歩道だけにしていただきたいですね」と博士はいいます。
出典:Couple with cats on a leash want same walking rights as dog owners