1.タワシしっぽ
猫の感情はしっぽにもあらわれます。猫は嬉しいときはしっぽをピーンと立て、イライラしているときは小刻みにパタパタさせるなど、しっぽの動きは心のバロメーターなのです。
猫は緊張すると、しっぽを「タワシ」のように膨らませることがあります。これはしっぽを大きくすることで、自分を強く見せるという威嚇の心情です。しっぽの膨らみ方は緊張感の高さに比例します。
またしっぽを大きく膨らませる反面、しっぽをだらりと垂らすときも緊張していると認識できます。猫がしっぽを力なく垂らしているときは不安の感情のあらわれだからです。
他にもエジプト座りをしながら、しっぽを前足に巻き付ける「シッポ巻き座り」。これも緊張しているサインです。ただし、単純に寒いだけという場合も行うため「シッポマフラー」という別名もありますよ。
2.イカ耳
耳が左右に広がるように平らにし、外側に向けてイカの姿のようにピンと張った耳のことを「イカ耳」と呼びます。
この仕草はよく威嚇するときに見られることから、怒っている時にしていると思われがちですが、実は緊張しているときにもイカ耳になります。
猫は聴力に長けた動物なので、現状の把握や次に起きることを音で判断できます。だからこそ、緊張している時は少しの音でも拾おうと耳を澄まし、イカ耳になるのです。
イカ耳になっているその耳は、明らかに力が入っています。リラックスしているときの猫と比べて、イカ耳をしているときの猫は緊張状態であることは一目瞭然でしょう。
3.瞳孔が大きく丸くなる
猫の瞳は、細くなったり丸くなったり、大きさがさまざまに変化しますよね。さらに猫の瞳孔は明るさによって変化し、暗い場所では大きくなり、明るい場所では小さくなります。
瞳孔の大きさで猫の顔の印象がガラリと変わるので、「黒目が強調される大きな瞳が好き」とう飼い主さんも多いものです。
しかし、瞳孔が開いて目がまん丸になるときは、猫が集中しているときや驚いたとき、怖がっているとき、そして緊張しているときなのです。
飼い主さんからしたら、まん丸の瞳が「カワイイ!」と思うかもしれませんが、その時の猫は何かに怯えていたり、怖がっているかもしれません。
ただし、「楽しい」「遊びたい」というポジティブな心理の場合もあるので、瞳孔を丸くしているときの猫の気持ちは、じっくり状況を観察したうえで判断してあげた方がよさそうです。
4.ヒゲを横に広げる
猫のヒゲもまた、感情のあらわれる部位です。
猫が興奮してワクワクしているときのヒゲは、大きく広がったり、前に向いたり、ヒゲ袋がぷっくりとします。そんな前を向いたヒゲには、「情報収集のため」という意味もあります。
また、前に向けられたヒゲが「少し緊張している」という意味である一方、より緊張感が高くなった場合は、ヒゲがピーンと横に開き、頬に沿うような感じになります。このときは緊張感に加えて、不安や恐怖心もあるので、猫をできるだけ驚かせないようにしてあげましょう。
5.冷や汗をかく
猫も緊張をすると冷や汗をかくことをご存じでしょうか。
猫は基本的に汗をかかない動物ですが、一カ所だけ汗腺があります。それは足の裏にあり、なんと猫は肉球から汗を出すのです。
たとえば病院に連れて行ったときに、猫の足をさわると湿っていることがあるのですが、実はそれは「冷や汗」なのです。
なお、猫の鼻が湿っていることから、猫の汗腺は鼻にもあると思われることが多いのですが、それは誤解です。猫の鼻には汗腺はなく、鼻に汗をかくことはありません。ちなみに、猫の鼻の湿り気の正体は、ニオイを感じやすくするための分泌物なのですよ。
まとめ
今回こちらで解説した仕草や動作以外にも、猫の緊張する様子を察知する方法があります。
たとえば、体をやたら小さくしたり、動作がとまったりするのも緊張している証拠。ほかにも、緊張をほぐそうとしてグルーミングをしたり、あくびをしたりすることもあります。
人間も緊張すると、表情がこわばったり冷や汗をかいたりしますよね。また緊張のあまり動きが鈍くなる人もいれば、逆に落ち着きがなくなりソワソワする人も。
猫が緊張しているサインも、実は人間と通ずるものがあるので、猫の気持ちになることで緊張のサインを見分けることができますよ。