4階の窓から猫が落下!
ここはロンドン東部。ある日、2歳の黒猫Atlasがアパートの4階にある自宅の窓から落下してしまいました。
植え込みに落ちた猫は奇跡的にまだ息があり、飼い主のAlisha Pati-Alamさんは、あわててWanstead動物病院へ搬送しました。ここでJohn Gardner医師の治療を受けたのが、さらなる幸運でした。
Atlasのあごは骨折して砕け、口から出血していました。下あごを複雑骨折しており、落下の衝撃で肺にも損傷が見られました。
このあごの形成手術の際に獣医たちが用いたのが、3Dプリンターでした。猫のあごの形をスキャンし、プリンターで作った骨の模型をもとに手術が進められたのです。
3Dプリンターで骨の模型を作成
John Gardner医師は「3Dで作った骨の模型があるため、手術の際に正しい場所にあごを整形することができました」といいます。正しい位置に戻った骨は、金属板とスクリューを使って固定されました。
「位置が少しでも狂ってしまうと関節がうまく動かないし、普通に餌を食べることもできませんからね。しかも模型を使うことで手術時間も短縮できました。普通は3時間かかるところを、2時間で終えられたのです」
これまでも同病院では、あばら骨の整形などに同様の技術を使ってきましたが、今回のように骨折の患畜に適用したのは初めてだとか。
手術後、4日間入院して手厚い看護を受けたAtlasは、順調に回復しています。
「術後のレントゲンでも、正しい位置にあごを固定できたことがわかっています。金属板をはめたせいで、少しあごが出っ張って見えますが、長い目で見て影響はありません。今後、普通の生活を楽しむことができるでしょう」と同医師は話します。
手厚いケアに飼い主も大感謝
「Atlasは、開けっ放しにしていた窓から落ちたのです。部屋に猫がいないと気づいて窓の下をのぞくと、はるか下で横たわっている姿が見えました。
すぐにかけつけ、まだ息をしていて目を見開いているのを確認してほっとしましたが、ケガはひどくて口の中から出血していました。あいにく日曜日の夜だったので、かかりつけ医がWanstead動物病院を紹介してくれたのです」
まず肺の損傷を治療し、容態が安定してからあごの手術が4日目に行われました。
「あのときは愛猫を失うかと思いましたが、病院スタッフのおかげで回復しました。あごはきちんと機能し、食事も普通にできます。わたし自身も医者ですが、3Dで作った骨の模型を、人間だけでなく動物に適用できるなんて思いも寄りませんでした」とAlishaさん。
「入院中もスタッフは猫の状態を細かく知らせてくれました。毎日病院を訪問したのですが、受付の人々も親切で、わたしのことを気にかけてくれました。最高のケアが受けられて幸せです」
これに懲りて、今後はAtlasも開けっぱなしの窓には近づかないことでしょう。
出典:Lucky black cat survives fourth floor flat plunge after escaping through window