1.野生の本能によるもの
猫は、もともと野生で生活していた肉食動物ですので、お腹が空いたら自分たちで獲物を捕らえて食事をしていました。
しかし、毎回狩りが上手くいくわけではなく、お腹が空いていても獲物を捕まえられない日もありますし、そんな日が何日も続くことも珍しくありません。
空腹状態でようやく獲物を捕らえられたときは、一気に早食いをして空腹を満たすことは容易に想像できますよね。
現代の猫は狩りをすることはありませんが、野生時代の本能が残っていることから、一気にご飯を早食いしてしまう猫が多いようです。
2.横取りされないように
猫は、敵やほかの猫にご飯を横取りされないために早食いをしてしまう傾向があります。
先ほどお話しした野生時代の猫であれば、せっかく大変な思いをして捕まえた獲物を横取りされないように急いで食事をする必要がありました。
その名残もあり、多頭飼いをしているご家庭であれば、同居する猫にご飯を奪われないように早食いをしてしまう猫が多く見られます。
また、地域猫や野良猫が室内で暮らすようになった場合も、長年のクセが抜けず横取りされないように早食いをしてしまうこともあるようです。
3.体の仕組みによるもの
猫が早食いをしてしまうのは、体の仕組みも関係しています。
食べ物をしっかり噛み砕いて味わう人間とは対照的に、猫は味覚がそれほど発達していないため味わって食べることはないといわれています。
さらに、猫の臼歯はすりつぶすような形をしておらず、すりつぶすよりは嚙み切るのに適していると言えます。食べ物を小さく咀嚼(そしゃく)することができないので丸飲みすることがほとんどです。
このような猫特有の体の仕組みも、早食いをしてしまう原因の1つになっています。
早食いが良くない理由
早食いをしてしまうと、ご飯がのどに詰まる危険性が高まるだけでなく、ご飯と一緒に空気をたくさん飲みこんでしまうため一気に胃が膨らんで吐き戻しにつながります。吐き戻してしまうと必要な栄養が体に吸収されないため栄養不足になる可能性があるんです。
さらに、早食いが癖になると満腹感を得にくいので、飼い主さんにご飯やおやつを頻繁に催促するでしょう。そのたびに猫の要求に応えてご飯やおやつを与えてしまうと、肥満につながってしまいますので注意が必要です。
そのようなトラブルを引き起こさないためにも、早食いを防ぐための対策が必要になります。
早食いを防ぐ対処法
ここからは、今日からできる早食いをしてしまう猫への対処法をいくつかご紹介いたします。
食事の回数を増やす
早食いをする猫には、1日の給餌量は変えずに食事の回数を増やしてみましょう。ご飯が大好きな猫や多頭飼いのご家庭では、出されたご飯を出された分だけ急いで食べてしまうことが多いため、食事の回数を増やすことは有効な方法です。食事の回数を増やすと落ち着いてご飯を食べられるだけでなく、胃腸への負担も軽減されますので是非試してみてください。
早食い防止用の食器に変える
猫の早食いを防ぐために、食器の内側が凸凹した形状になっている「早食い防止用の食器」を使用するのも効果的です。口に入るご飯の量が少なくなるので、必然的に早食い防止になる便利なアイテムです。
落ち着いて食事ができる環境を作る
多頭飼いのご家庭の猫は、ほかの猫に横取りされない環境を作ってあげることが大事です。
食事を与える場所を離したり、食事はケージの中で与えるなどの対策をすると落ち着いてご飯を食べられるので、早食いを防止できるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は猫が早食いしてしまう理由や、早食いを防ぐための対処法についてお話しいたしました。
猫が早食いをしてしまうのは、野生時代の本能による行動や、体の仕組みなどが理由となることがほとんどです。
早食いが猫特有の行動とは言え、体に負担を与えたり思わぬアクシデントを引き起こす危険性もあるため何かしらの対策が必要です。
今回ご紹介した対処法は、無理なくすぐにできるものばかりかと思います。
愛猫の健やかな生活を守るためにも、ご家庭の環境や愛猫の特徴に合わせて落ち着いてご飯を食べられる環境を用意してあげてくださいね。