1.ご飯が欲しい
食事の時間がくる前に飼い主さんの目を見ながら鳴く猫はかなり多いのではないでしょうか。これは言わずもがな、鳴き声を発することで空腹を訴えているのです。人間の言葉に訳すと、「お腹が空いたからご飯ちょうだい!」といったところでしょう。
お腹が空いたときの鳴き方は猫によってさまざまです。「ウアーン」「アーン」と大声で長鳴きする猫もいれば、「ニャーニャー」と可愛らしく鳴く猫もいます。例えば「ニャオーン」と鳴いたときに飼い主さんがご飯をくれたことがあるのならば、それ以降も「ニャオーン」と鳴くようになることが多いです。
また、ご飯を食べ終わったあとに「ニャッ、ニャッ」と鳴く猫もいます。これは母乳を飲んでいるときにしばしば見られる鳴き方で、「おいしい」「うれしい」「ありがとう」といった意味が含まれているのではないかと言われています。
2.遊んでほしい
一緒に遊びたくて飼い主さんに向かって鳴く場合もあります。子猫が母猫になにかをねだるときに鳴いて訴えますが、これと同じ行動を飼い主さんに向けているというわけです。鳴き方としては、高く甘えた声ではっきり「ニャー」と発する傾向があります。
また遊びたいときはゴキゲンだからか、鳴き声に加えてボディランゲージを示すことも多いです。例えば鳴きながら飼い主さんにお腹を見せつけたり、体をクネクネさせるといった具合です。ニャーニャー鳴きながら飼い主さんに着いてまわり、作業の邪魔をするという猫もいます。
いずれにしても、このような甘え方は心を許している相手にしかしません。母猫と同じように、飼い主さんのことを「親しい仲間」だと感じているといえるでしょう。
3.不快なものをどうにかしてほしい
基本的に猫は我慢強い動物ですが、ネガティブな訴えで鳴くことも。ご飯や遊びをねだるのとは対照的に、低く神経質な声で「ウニャー」「ミャーオ」などと鳴きます。
猫にとってネガティブな訴えとは、「見慣れないものがある」「ストレスがたまっている」「体のどこかが痛い」などです。例えば部屋の模様替えをしたために落ち着かず、飼い主さんに鳴いて訴えたりします。さみしさからストレスがたまり、しつこく鳴くことも。やたら猫が鳴き続けると思ったら、病気や怪我が隠れていたなんてこともあります。
また飼い主さんが慣れないニオイを付けて帰ってきたり不審な恰好をしている場合に、警戒心から「シャー」「ウーッ」などと鳴くことがあります。
4.あいさつ
とくに訴えたいことがなくても、挨拶代わりに鳴くときもあります。すれ違いざまに「ニャッ」と声をかけられたら、挨拶をしているのかもしれません。「やあ元気?」「大好きだよ」という好意的な意味であることがほとんどでしょう。そんなときは「おはよう」「何しているの?」などと返事をしてあげると喜びます。
大声を出すほどではないけれど、飼い主さんに甘えたい気持ちが含まれている可能性も。猫が嫌がらなければ、頭や顎を撫でるなどして軽くスキンシップを取ってあげてもいいかもしれませんね。
まとめ
愛玩動物として飼育されている猫は、野良猫よりも鳴く頻度が高いといわれます。それは人間とのコミュニケーションにおいて、行動や表情よりも発声した方が伝わりやすいことを知っているからです。主に親猫に対して発していた鳴き方を使って、さまざまな「お願い」をしています。
さらに猫たちは細かなニュアンスを変えつつ、より要求が伝わりやすい方法を日々模索しています。小さな声で鳴いた方が伝わった、大きな声で鳴いた方が伝わったというように、成功体験を重ねることで鳴き方を変えているのです。
猫からのお願いが可愛くない飼い主さんはいませんが、あまり大声を出されるのも考えもの。要求鳴きがひどくて改善したいときは、鳴いてから時間を置いて答えてあげるようにしましょう。