猫の耳に寄生する「耳ダニ」 主な種類や寄生されたときの症状、治療法を解説

猫の耳に寄生する「耳ダニ」 主な種類や寄生されたときの症状、治療法を解説

猫の耳に寄生する「耳ダニ」。正式名称はミミヒセンダニというダニの仲間で、猫に強烈な痒みを引き起こす原因となります。しかし室内で暮らす猫は寄生されるリスクが低いため、この耳ダニについて詳しく知っているという飼い主さんは少ないです。そこで今回は、耳ダニに寄生されたときの症状や治療法、予防法など詳しく解説します。猫と暮らす飼い主さん必見の内容です。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

耳ダニとは?

耳のチェックを受ける猫

猫の耳に寄生する耳ダニとは「ミミヒゼンダニ」と呼ばれる、大きさ約0.5㎜ほどのダニのことです。

猫の耳道に寄生し耳垢やそのほか分泌物などを餌にして、繁殖をつづける厄介者。約3週間で卵から成虫へと成長し、適切な治療を行わない限り自然治癒はあまり望めません。

感染経路は主に被感染猫との接触です。母猫から子猫に感染したり、野良猫との接触で感染するケースもあります。

なお耳ダニは人の皮膚にも感染しますが(耳にはしない)、人の皮膚では生きていくのが困難なため、症状はなくあっても一時的なもので済むケースがほとんどです。

耳ダニに寄生されるとどんな症状がでる?

耳をかく猫

猫が耳ダニに感染すると、ひどい痒みに襲われます。そのため次のような症状が表れます。

  • 頻繁に頭を振る
  • 耳を足でひっかく
  • 耳を床や壁に押し当てる

他には

  • 黒い耳垢がでる
  • 耳が臭くなる

これらの症状が表れたら、なるべく早く動物病院を受診しましょう。あまり様子を見すぎると猫は痒みに襲われ続けることになり、外耳炎などほかの病気を併発してしまうかもしれません。

また同居猫がいる場合は、症状のある猫と離して感染が広がらないようにすることも重要です。

耳ダニの治療法は?

滴下薬を受ける猫

耳ダニの治療は、基本的に駆虫薬の投与です。また猫が耳をひっかきすぎて皮膚に炎症が起きている場合は、別に塗り薬や外耳薬を処方されることもあります。

いずれにせよ適切な治療を開始してから1ヵ月後くらいには、症状も落ち着き元の生活に戻れるでしょう。

耳ダニにならないためには?

あくびをする猫

室内飼育にする

やはり猫を完全室内飼育にすることが、効果的な予防法といえます。感染経路のほとんどが被感染猫との接触です。つまり耳ダニに感染している可能性が高い野良猫と接触する機会のある猫は、ハイリスクと思ってください。

反対に完全室内で飼育されている猫は、耳ダニに感染するリスクは極めて低いといえます。ただ猫を飼育している人の来客や動物病院・トリミングサロン・ペットホテルなどで感染するケースも可能性として考えられるので、注意が必要です。

定期的な耳掃除

耳のチェックも兼ねて、猫の耳のなかをきれいに保っておくことも耳ダニを予防する方法の1つです。ただ基本的に猫の耳は蒸れにくく汚れやすくはないので、頻繁に行う必要はありません。

猫の耳をみたときに、耳垢が溜まっているなと思ったらふき取るといった感じで行いましょう!

猫の耳掃除は、ぬるま湯かペット用イヤークリーナーを湿らせたコットンを指に巻いて、汚れている部分をサッとふくだけでOK!耳の穴の中など、深いところまで無理に行う必要はありません。

飼い主さんが奥までやろうとすると耳を傷つけてしまうリスクもあるので、気になるのであればトリミングサロンや動物病院で掃除をしてもらいましょう。

まとめ

耳をチェックされる猫

耳ダニは猫の耳に寄生する「ミミヒセンダニ」というダニのこと。駆虫薬をつかって治療すれば短い期間で治癒できますが、治療を始めない限り耳ダニが自然といなくなることはほぼありません。

耳ダニに寄生されると、とにかく「痒い」!そのためもし愛猫がひどく痒がっていたら、耳を見てみてください。たくさんの耳垢がたまったり、嫌なにおいがしていたらいずれにせよ動物病院を受診してくださいね。

そして大切なのは耳ダニに寄生されないこと。完全室内飼育はもちろん、外出や来客があったときも注意を払い、寄生されないように努めましょう!

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