ケガのリスク
猫はバランス感覚にすぐれた動物ですが、高いところから落ちることもあれば、着地を失敗することもあります。エアコンは、本体の前面にあるパネルが開くタイプもあるため、そこに転がり落ちてしまう可能性もゼロではありません。
また、エアコンの天井部分はフタがなく、フィルターがむき出しの製品が多いものです。このフィルターの下には「アルミフィン」と呼ばれる金属板が並んでいます。そのため、とても安全とは言えませんし、カビやほこりが付着しやすい場所なので、猫にとっても不衛生です。
火事のリスク
エアコンの上に乗ると、猫がコードやプラグに触れることができる場合もあります。もしそれを猫が噛んだり爪でひっかいたりすると、火花が出てしまうおそれもあるのです。
さらに、火花が出たときに猫の被毛に引火してしまうと、とても危険です。猫の命の心配はもちろんのこと、家も火事になってしまうリスクがあることを覚えておきましょう。
実際にエアコンで起きた火災例によると、エアコンはゴキブリが原因でも発火します。ゴキブリがエアコンの内部に侵入し、内部の電気部分に接触。トラッキングを起こして火災につながったとのこと。
猫は、大きさ的にエアコンの内部に入ることはできないものの、猫が遊ぶためにくわえていた輪ゴムやミニボールを、エアコン内に落としてしまう可能性もゼロではありません。
エアコンの故障
先述したように、コードやホースへの噛みつきや爪研ぎ、また異物を落下させることは、エアコンの故障につながります。
また猫の毛は、エアコンの内部に入り込みやすく、目詰まりの原因にもなります。エアコン内部に抜け毛が詰まり、水漏れしてしまうこともあるのです。実際、たくさんの愛猫家の家で、猫の毛が原因でエアコンが壊れたという声が確認されています。
このように、猫のいる家のエアコンの中は、ただでさえ猫の毛がびっしり詰まっています。もし、エアコンの上に日常的に猫がいるとしたら、猫の抜け毛はよりたくさん入ってしまうことでしょう。定期的にエアコン洗浄をするとはいえ、故障のリスクは最小限にとどめたいものですね。
猫が「エアコン」に乗るのを今すぐやめさせる対策
猫をエアコンの上に乗るのを今すぐやめさせるには、侵入経路を防ぐだけで大丈夫です。
愛猫のジャンプ力にもよりますが、床から直接エアコンに飛び乗れない場合は、踏み台となる周辺の家具を撤去すれば良いだけです。またキャットタワーもエアコンへのぼるための便利なステップになってしまうので、エアコンの位置から離しましょう。
ただし、猫は自分の体長の最大5倍までジャンプでき、およそ約1.5m~2mほど飛ぶことができます。中には、エアコンに直接飛び乗ることができる猫もいるかもしれません。またジャンプ力はなくても、カーテンを爪でよじ登り、カーテンレールの上を歩いて移動するという侵入経路もあります。
いずれにしても、身体能力抜群の猫には、入り口を塞ぐのが一番なのです。
壁や天井にフックをつけて、仕切り板を設置しましょう。できれば、アクリル板が見映えもよく安全です。ワイヤータイプのメッシュも一見良さそうではありますが、猫が強引に穴を通り抜けようと首をひっかけてケガをしてしまう恐れもあるため、注意が必要です。
まとめ
「愛猫が家の中で見当たらず、エアコンの上で寝ていた」という経験をしたことはないでしょうか。
そのいたずらな様子に、最初は「カワイイ♡」と思うかもしれませんが、実は今回紹介したようなリスクがあり、くれぐれも注意が必要です。
愛する猫のためにも、事故やケガ、故障のリスクを把握し、安全な住環境を用意してあげてくださいね。