猫の「終生飼養」とは?最期まで飼い主の責任を果たすために考慮すべき5つのこと

猫の「終生飼養」とは?最期まで飼い主の責任を果たすために考慮すべき5つのこと

「日本の法律では、動物を物として扱っている」という批判をよく耳にします。しかし、『改正動物愛護管理法』では、『動物の飼い主は、その動物が命を終えるまで、適切に飼養する終生飼養の責任がある』ということが明記されました。猫を「終生飼養」する責任を果たすために、飼い主が考慮すべきことについて解説します。

終生飼養とは?

見つめ合う猫と女性

終生飼養とは、動物の一生涯を通して適切に飼育するという意味の言葉です。2013年の改正動物愛護管理法で、動物の飼い主が果たすべき努力義務として明記されました。

一度家に迎え入れた猫を終生飼養することは、単なるモラルの問題だけではなく、法律で定められた飼い主さんの義務であるということをしっかりと認識する必要があります。

飼い主さんは、「この子の一生に責任を持つ」と考えて猫を迎え入れると思います。しかし自治体の動物愛護相談センターには、下記のような理由で「これ以上猫を飼育できなくなった」という相談が寄せられているのも事実です。

<動物愛護相談センターへの相談例>

  • 引っ越すことになった
  • 家族に猫アレルギーのあることがわかった
  • 既に飼っていたペットとの相性が悪い
  • 思っていたよりも手がかかる
  • 仕事が忙しくなった
  • 子どもが生まれた
  • 高齢になった猫の介護に時間を割けない
  • 飼い主の病気や死亡で世話をできる人がいなくなった

いくら終生飼養をする覚悟があっても、生活の中で起こる変化に対応できなければなりません。そのためには事前にリスクを洗い出し、対策できるかを熟慮した上で猫を迎え入れるか否かを決めなければなりません。

猫の「終生飼養」のために考慮すべきこと

猫の歯磨き

では、最期まで飼い主の責任を果たすために飼い主として考慮すべきことについて解説します。猫をお迎えする前にきちんと把握しておきましょう。

1.事前に家族全員の同意を得る

飼い主さんの他にもご家族がいる場合は、事前にご家族全員の同意を得ることが欠かせません。猫を迎え入れた後に、ご家族の中から「猫を飼えない」といった問題が提起されることを避けるためです。

事前同意の中には、猫の飼育にもお金がかかることをご家族全員で認識しておくことや、ご家族の中に猫アレルギーを持っている方がいないかどうかの検査を受けることも含まれます。

2.猫のことを知る努力を続ける

人は猫のことを擬人化して考えてしまいがちですが、猫と人は明らかに別の動物種です。猫の生態や習性、病気などについての正しい知識を持たなければ、適切に飼育できるわけがありません。そして正しい知識は、一朝一夕で身につくものではありません。

さらに動物に関する研究は、日進月歩で進んでいます。猫を迎え入れる前から最期を看取るまで、常に猫のことを正しく知る努力を続けられなければ、飼い主としての責任を果たすことはできません。

3.猫の親になる

猫の平均寿命は15年強です。20年以上生きてくれる子も少なくありません。飼い主はその間、24時間365日休みなく世話をする必要があります。なぜなら、飼い主さんが世話をしなければ猫は生きていけないからです。猫の親になるという覚悟が必要なのです。

猫は自分の縄張りの外に出ることを極端に嫌うため、一緒に旅行もできなければ、長期間留守にするからといってペットホテルに預けることも難しいです。また、引っ越しや家族の増減などによる住環境の変化も、強いストレスになります。

猫の習性を充分に理解した上で、常にストレスを最小限に抑えるための努力と工夫を続けなければなりません。

4.病気の看護や老後の介護への対応

人間と同様に、猫も感染症を始めとしてさまざまな病気にかかったりケガをしたりするため、日々のケアや定期的なワクチン接種による病気の予防が必要です。ストレスを溜めさせず、できるだけケガをしないような住環境を整えることも飼い主さんの責任です。

万が一病気になれば適切な治療を受けさせ、きちんと薬を飲ませなければなりません。高齢になり認知症になったり歩けなくなったりすれば、介護が必要になります。

仕事を続けながら看病や介護を続けることは、かなりの負担になることを覚悟しておく必要があります。

5.猫の世話ができなくなったときの対応

病気になったり高齢になったりするのは、猫だけに限りません。飼い主さんが病気や認知症などになり、猫の世話ができなくなることもあります。場合によっては、飼い主さんが猫よりも先に亡くなることもあるでしょう。

そのような万が一の場合に備えて、猫をお迎えするとなった場合には、愛猫の世話をしてくれる家族や知人、もしくは適切な施設を探しておく必要があります。いざとなったときにすぐに託せる様に準備をしておくことも、猫を終生飼養するための大切な責任の一つです。

「飼わない決断」も飼い主に求められる責任

悩む女性

猫の終生飼養のために、飼い主さんが考慮すべきことをご紹介してきました。

これらに加え、飼い主さんの事情に合わせて将来起こりうるリスクを洗い出し、対処できるか否かをしっかりと検討し、対策をしながら猫との暮らしを始めることが大切です。

もし対処の難しいリスクが複数存在するのであれば、猫との暮らしを諦めることも、飼い主さんに求められる要件です。ただし「対処できない」と結論を出す前に、動物関連の保険や施設など、新たに登場したサービスも含めて充分に調査することも忘れないでください。

まとめ

頭を撫でられる高齢猫

猫は、飼い主さんが自由に操れるぬいぐるみではありません。食事をし、排泄をし、鳴いたり怒ったりもします。日々のケアを怠れば病気にかかったりケガをしたりもします。ストレスが原因でメンタルを病むこともあります。年を取れば介護も必要になります。

一度猫を迎え入れたら、その生涯を通してしっかりと世話をしなければならないのです。そのためにはお金も時間もかかります。時には、飼い主さんが何かを犠牲にしなければならないこともあるでしょう。

覚悟を決めて猫を迎えたら、飼い主さんは猫の親にならなければなりません。その代わり、親としての苦労や犠牲を補って余りある、豊かで幸福な時間を生み出せることでしょう。

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