猫の「ジャンプ力」にまつわる話 体の5倍の高さが飛べるって知ってた!?

猫の「ジャンプ力」にまつわる話 体の5倍の高さが飛べるって知ってた!?

身体能力が高い猫は、高い場所にも軽々とジャンプして飛び乗りますよね。猫と言えば「大ジャンプ」というイメージが強いですが、自分の体より高い場所へジャンプする猫はどのくらいジャンプ力があるのでしょうか。今回は、猫の凄まじい「ジャンプ力」についてお話いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫は体の約5倍の高さまで飛べる

窓から見下ろす猫

猫は、体高(地面から背中までの高さ)のおよそ5倍ほどの高さまで飛べると言われています。

猫の平均的な体高が約25㎝〜30㎝とすると、5倍といえば約1.25m〜1.5mほどの高さになります。個体差にもよりますが、猫によっては2m近くジャンプできる猫も存在するようです。

キャットタワーやタンス、冷蔵庫の上に軽々と飛び乗ってしまうのも納得ですよね。

ちなみに、身長が170㎝の人間で例えると、8m以上の高さまでジャンプすることになりますので、猫のジャンプ力がどれほど優れているのかお分かりいただけるのではないでしょうか。

猫が高くジャンプできる理由

ジャンプする子猫

猫が自分の体より高い場所までジャンプできるのには、いくつか理由があります。

猫の後ろ足には「速筋」と呼ばれる瞬発力を生み出す筋肉が備わっているだけなく、柔軟性の高い関節や靭帯がバネのような役割を果たしています。その柔軟性の高い体の特徴が、猫の驚異的なジャンプを可能にしているんです。

さらに猫の高いジャンプ力は、足だけでなく背骨にも秘密があるようです。

猫の背骨は丸めたり伸ばしたり、とても柔らかくてしなやかですよね。この柔軟な背骨をバネのように動かすことも、高いジャンプ力を生み出しています。

ジャンプが苦手な猫もいる

寝転ぶぽっちゃり猫

猫と言えば「身体能力の高さ」というイメージがありますので少し意外な気もしますが、中にはジャンプが苦手な猫も存在します。

人間と同じように、もともと運動が得意な猫もいれば苦手な猫もいますし、猫種や性格によっても違いがあるかと思います。

肥満気味の猫は、体が重くて思うようにジャンプできない場合があります。それだけでなく、猫が飛べると判断しても、ジャンプに失敗してケガをしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

若いころは運動神経抜群だった猫も、歳を取るとジャンプするのが億劫になる場合もあります。筋力の衰えや、加齢による関節の痛みなどが原因でジャンプしなくなる猫は少なくありません。

ジャンプが苦手な猫も快適に過ごせるように、ステップを用意するなどお部屋の中の環境を整えてあげると良いかもしれません。

猫の着地について

食器棚から飛び降りる猫

ジャンプ力が高い猫は、高い場所から着地するのもへっちゃらな猫が多いですよね。

ケガをしないかと、ハラハラして着地を見守る飼い主さんもいらっしゃるかと思います。

猫は、バランスを司る「内耳」が非常に発達しており、飛び出した瞬間に体をひねって着地の体勢を整えることができます。

さらに、高いところへジャンプするときと同じように、柔軟な背骨や筋肉、クッションの役割を果たす肉球を利用して着地します。体の特徴を生かして着地することで衝撃を吸収することができますので、着地に関してあまり心配しすぎる必要はなさそうです。

まとめ

おもちゃに驚いて飛び上がる猫

いかがでしたでしょうか。

今回は、猫の驚異的な「ジャンプ力」についてお話いたしました。

一緒に暮らしていると当たり前のように目にする猫の「ジャンプ」ですが、体の5倍の高さまで飛べることや、人間で例えると8m以上の高さまで飛べることに改めて驚いてしまいますよね。

しかし、猫の性格やもともとの能力などによってジャンプが苦手な猫もいますので、その場合は愛猫に合った対策を施すことも重要になります。

また、ジャンプが得意な猫であっても、失敗するとケガを負う可能性も十分考えられますので、安全にジャンプできる環境を整えてあげましょう。

猫の「ジャンプ力」の秘密を知った上で愛猫の行動を観察していると、これまで見慣れた光景もますます興味深く感じるかもしれませんね。

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