猫は優れた感覚を持っている
猫はもともと狩りをしながら生きる動物のため、嗅覚や聴覚は人間よりも遥かに優れていて、聴覚は人の約3倍、嗅覚に至っては人の数万〜数百倍と言われています。
日常生活の中で爪切りや耳掃除をしようとした時に、いつもと同じように呼んでいるのに猫が逃げてしまう…なんて経験がある方もいるのではないでしょうか。
飼い主が普段と変わらない雰囲気を醸し出したとしても、声色や雰囲気の微妙な変化から分かってしまうのかもしれません。
また猫は観察力も高く、くつろいでいるようでいて案外飼い主の様子をよく見ています。
飼い主が体調不良になってしまった時は、健康な時との生活リズムや動き方、匂いなどのちょっとした違いから感じ取ることができるのです。
匂いや体温の変化を感じ取る
人間が病気にかかった場合に、細胞が何らかの匂いを発するものがあります。猫は優れた嗅覚で飼い主の匂いから異変を感じ取るのです。
いつもと異なる匂いを発する病気の例には、糖尿病やガンなどがあります。
糖尿病は糖の分解がうまくできないことで甘酸っぱい匂い(ケトン臭)が生じ、ガンは進行すると癌性悪臭という特有の匂いを発します。
猫はこれらの匂いを感じることができるようで、海外には優れた嗅覚を使って死に瀕した患者をほぼ正確に察知する「死を予知する猫」と呼ばれる猫が存在します。
また、匂いだけでなく体温の上昇から飼い主の体調不良に気づくこともあるようです。
声色や動向の変化を感じ取る
体調不良になってしまった時は健康な時よりも寝ている時間が増えたり、動きが鈍くなってしまったりすることがありますよね。
そんな飼い主の動向の変化によって「何かいつもと違うぞ?」と感じるようです。
また、持ち前の耳の良さから元気な時との声色の差を聞き分けられるとも言われます。
猫にとって安心できる存在である飼い主さんのことだからこそ、声を聞いたり動き方や生活リズムの変化を見たりすることで察知できるのかもしれませんね。
飼い主の様子にかすかな異変を感じた猫は、心配してくれているような仕草を見せることがあります。
心配している猫が見せる仕草とは
飼い主の体調不良を心配した猫は、
- そばに寄り添う
- 添い寝する
- 周りをうろつく
- 距離を取る
といった仕草や行動を見せることがあります。
仕草は猫ごとの性格や飼い主との距離感などによっても異なりますが、なかには具合が悪くて寝ている飼い主に対して容赦なく要求鳴きをしてくる子がいたり、一方で全く関心を寄せない子もいたりと反応はさまざまです。
気まぐれな猫のことなので、その時々の気分によっても対応は変わります。
「うちの子は体調を崩しても全く心配してくれない…」と気にする必要は特にないでしょう。
まとめ
猫は五感の中でも特に聴覚と嗅覚が優れていて、匂いの変化や体温の上昇、動きの鈍化、声色の違いなどを感じ取ることで飼い主の体調不良がわかると言われています。
飼い主の体調不良を察知した猫は、飼い主に寄り添ったりあえて距離を取ったりするなど、心配している気持ちを表すような仕草を見せることも。
猫が具合の悪い飼い主に対してどんな振る舞いをしたとしても悪気があるわけではありません。体調が回復したらいつも通りに愛情を持って接しましょう。