困難な「高齢猫」の飼い主探し
高齢の保護猫は、若い猫にくらべて飼い主を見つけるのが大変です。 保護動物の譲渡情報を提供しているウェブサイト「Petfinder」上の統計では、子猫の82%は新しい飼い主に引き取られていきますが、1歳半以上の猫の場合は60%にとどまっているのです。
しかし13歳の猫Felixの場合は、とても幸運でした。この猫は米国カリフォルニア州モントレーにある「Golden Oldies Cat Rescue」の施設で暮らしていました。同団体は6歳以上の猫を保護する活動をしています。
ある日、Denise Whitlockさんと孫のSiennaちゃん(10歳)は、偶然このFelixを見つけました。
Deniseさんは常々「ショップで買うのではなく、保護された動物を引き取るべき」と考えていて、自宅には現在、15歳の猫2匹(LucyとChloe)がいます。彼女と夫のRobbyさんは、これまで10匹以上の保護猫を迎えて育ててきました。
子猫探し中に、見慣れた猫を発見
一方、Siennaちゃんも猫のいる家庭で育ってきました。しかし弟のLiamくんにアレルギーがあるため、飼い猫は保護施設に引き渡されることになったのです。
気の毒に思ったDeniseさんは、Siennaちゃんが来たときに一緒に遊べるよう、子猫を引き取ろうと考えました。そして「Petfinder」で里親募集中の猫を探していたとき、Siennaちゃんが横から声を上げました。なんと、猫たちの写真のなかに、数年前に手放したFelixの姿を発見したのです!
一度は保護施設を出て、お年寄りの家庭に引き取られたFelixでしたが、その家で世話が続けられなくなり、つい最近施設へ戻ってきたのでした。
Felixの写真を見たSiennaちゃんの目には、涙があふれていたそうです。そして「Felixとまた暮らしたい」と訴えたのです。
祖父母の家庭で、幸せな毎日
もちろんDeniseさんは喜んで協力しました。すぐにFelixは引き取られ、現在はRobbyさんの膝で居眠りを楽しんだり、同居猫たちとうれしそうに鳴き声を上げたりして、毎日を過ごしています。
「この猫が高齢期をうちで一緒に過ごし、新しく幸せな再スタートができるのを、とても喜んでいます。孫のSiennaには、ペットの一生について理解を深めてほしいと思います」というDeniseさん。弟のLiamくんも以前より猫アレルギーがよくなり、Felixと遊べるようになったとか。
同団体のMargaret Slabyさんはこう話します。
「Felixに、ずっと幸せに暮らせる家庭が見つかってよかったです。飼い主が見つかってそこで暮らすにしろ、一時的な里親家庭で過ごすにしろ、わたしたちは猫たちの一生を支える覚悟で活動しています。いったん引き取られた猫でも、Felixのようにふたたび施設に戻る場合もあるのですから」
これからFelixは、愛情豊かな家族に囲まれ、高齢期を幸せに過ごしていくことでしょう。
出典:Elderly Cat Reunited With Family Forced To Give Him To Shelter Years Ago