「精神的につらい」猫が心理的な負担を感じているときの5つのサイン
猫が心理的な負担を抱えていると、行動にも変化が見られます。猫の心理面では外部からの刺激を避けようとしますし、ストレスホルモンの影響を受けて行動が変化することもあります。
1.食欲不振
ストレスが溜まってくると猫も食欲に変化が起こります。食事を残すようになるか、まったく食べなくなる、あるいは逆に過食することがあります。これは不安や緊張の継続からホルモンバランスが崩れ、食欲のコントロールが正常に働かなくなってしまうためです。
2.情緒不安定な態度
ふだんは元気で遊び好きな猫が一日中ゴロゴロと寝て不活発になり、周りの出来事に対して無関心になることがあります。あるいは、活発になりすぎて、周囲に対してイライラし、攻撃的になったりすることがあります。いわゆる、八つ当たりです。
3.排泄問題
ストレスは腸の正常な動きを乱します。腸の蠕動(ぜんどう)運動や腸内環境が悪化し、食事量に変化があれば便秘や下痢など便に変化が見られることがあります。猫は環境とトイレ(排泄行動)の関係性を結び付けて考えるので、もしストレスによってトイレ以外で排泄することがある場合、それは不快な気持ちを緩和しようとした結果であると考えられます。
4.引きこもる
外界との交流を避けるため、飼い主や他のペットとの交流を避けるように隠れて引きこもることがあります。天気の悪い日や寒い日に猫が引きこもるのは一時的なものですが、ストレスによる引きこもりは、通常長期間にわたってストレスを感じた結果の行動です。
5. 過剰なグルーミング
猫にとってグルーミングは、リラックスするための行動でごく日常的な行為です。しかし、ストレスが継続的にかかっていると、神経が興奮してグルーミングを止めることができず、過度になめすぎてしまうことがあります。脱毛するまで毛づくろいする場合はかなりのストレスがあると考えられます。
猫にストレスをあたえてしまう飼い主の行動
室内飼い猫のストレス原因は多岐に渡り、完全にストレスをなくすのは、かなりむずかしいことでしょう。ときには飼い主による行動で愛猫がストレスを抱えてしまうこともあります。
- 一方的なスキンシップ
- 爪切りやブラッシングの無理強い
- 突然、環境を変える
- 大声や騒音
- 芳香剤の使用
猫も多少のことであれが我慢もできますが、飼い主が気づかないまま限度を越えれば精神的にも大きな負担になりかねません。
抱っこを好まない猫を無理に抱き上げたり、寝ている猫を無理に起こしたりする行為は、飼い主が考えるよりも猫に強いストレスを与えます。同じように日常的に必要な爪切りやブラッシングなどのケアであっても、嫌がる猫に無理強いするのはNGです。
同時に、猫は生活環境が大きく変わることも嫌います。飼い主としては仕方がない部分もありますが、転居や結婚・出産、あるいは会社勤務から在宅ワークへの変更したときも要注意です。
特に新しいペットの受け入れは、繊細な猫なら病気を誘発するほど大きなストレスになることもあります。
飼い主が直接猫にあたえるものではありませんが、大きな音や子供の騒ぎ、柔軟剤やアロマの香りは、日頃から注意してあげたい部分です。猫にストレスをもたらすことがあります。
猫の心の健康を取り戻すためにできること
家庭内では、猫が望む距離感で接することが理想です。猫の主体性を尊重するほど、猫にとっては「快適」となります。寝ている姿がかわいくて、ついつい触ってしまうかもしれませんが、ほどほどにしておくのがよさそうです。
そしてできるだけ音やニオイはできるだけ最小に留めるようにしてください。アロマオイルは猫にとって有害なので、使用しないようにしましょう。柔軟剤の香りにも注意してください。
猫が精神的ストレスを抱えているときにやっかいなことは、病気のときと同じような行動をとることです。下痢や舐めハゲなどは一目で異常があるのがわかりますが、多少の食欲不振や引きこもる行為の見極めはなかなか難しく「そっとしておこう」「様子を見よう」という判断が隠れた病気の発見を遅らせてしまう恐れがあります。
もし、猫の行動や身体に異常が見られた場合は、すみやかに動物病院を受診するようにしてください。
まとめ
この記事では、猫が精神的につらいと感じているときのサインと、ストレスの原因となる飼い主の行動について説明しました。
猫のストレスは健康や行動に影響を与えることがあるため、早めに気づいてあげたいですね。
猫が精神的につらいと感じているときには、食欲や排泄に問題が生じるほか、日常生活の行動にも異常が出てきます。
原因は、一方的なスキンシップや環境の急激な変化、音・ニオイなどの問題が考えられます。飼い主自身でコントロールが可能な部分は改善し、猫が主体性を持って生活できるように環境を整えてあげることが大切です。
また、猫が異常を示す場合は、病気の可能性もあるので動物病院で相談をするようにしましょう。