【アドバイザー&母目線で解説】猫を飼うことで子どもに与えた影響とは?

【アドバイザー&母目線で解説】猫を飼うことで子どもに与えた影響とは?

ペットケアアドバイザーとして活動する私は、私生活では2児の子を持つ母親でもあります。今回は、猫を飼うことで子どもに与えた影響について、ペットケアアドバイザーと母、双方の目線からお話していきます。

猫と子ども、一緒に育てて平気?

本を読んでる少女と猫

近所のママとお話をする中で「家に猫がいる」と話すと、「猫って子どもが苦手って聞くけれど、一緒に育てるのは大丈夫なの?」と聞かれることもよくあります。

確かに、猫は静かな人や環境を好むため、予期せぬ行動をとったり大声を出したりすることの多い子どもとはお世辞にも「相性がいい」とは言えないかもしれません。

その一方で、猫にも私たちのように「個性」というものがありますので、一概に「猫と子どもは一緒に育てられない」とは言えないのも事実で、一緒に暮らしてきた猫が子どもの最高のパートナーになることだって珍しくはありません。

もちろん、これは一緒に暮らしてみないとわからない部分も多いのですが、まずは周囲の大人が次のような工夫を行うことが大切です。

  • 猫が1人になれるスペースを作る
  • 猫が嫌がることを子どもに教え、ルールを決める
  • 猫の習性を知っておいてもらう

とはいえ、子どもが乳幼児の場合、ルールを決めたり習性を知っておいてもらったりするのはまだ難しいですよね。

ですが、大人が普段から一緒に猫に触れ合うことにより、お子さんも成長するにつれて段々と猫のことを理解していくようになるかと思います。

また、猫は元々単独行動を好むので、「1人でゆっくり過ごせるスペース」の確保は特に重要です。猫用の大きめなケージを用意して、いつでも猫が逃げ込めるように戸は常に開けておきましょう。

お子さんにも「猫がここに入っている時にはゆっくりさせてあげないといけないから、触らないようにしてね」と教えてあげると安心ですよ。

実際に、我が家でも愛猫のためのスペースを確保して、子どもたちと猫の習性や苦手なことをこまめに確認するようにしています。

愛猫も自分が構って欲しい時には子どもたちの元へ擦り寄ってきますが、子どもたちが元気いっぱいの時間帯にはケージ内でお昼寝…というように、上手く自分の生活スタイルを保ってくれているように感じます。

家族で子どもと猫の双方をよく観察して、お互いにストレスのない生活を心がけていくことが大切です。

猫を飼うことで感じた、子どもへの良い影響

猫を抱いている少女

これまでにお話してきたように、工夫次第で「静かな環境を好む猫」と「元気いっぱいの子ども」でも、共にストレスなく暮らしていくことは十分可能です。

ここからは、そんな“真逆”とも言える猫と子どもを一緒に育てることで、どのような良い影響があったのかをお話していきます。

猫が子どもに与えた影響1:慈しむ心を育てられた

筆者には、幼稚園児と小学生の子どもがいます。

親である私が言うのもおかしいかもしれませんが、二人とも本当に優しい性格をしていて、周囲の人や友達を労わる心が長けていると感じています。

しかし、これは決して「私たちの育て方が良かったから」ではありません。

たとえ年齢は上であったとしても、子どもたちからしたら猫などの動物は「自分よりも小さい命」です。

大人でも猫を自分の子どものように愛する人が多いように、子どもにとって猫は友達のようなきょうだいのような、かけがえのない存在となります。

そうした大切な存在と過ごしていく中で、子どもは「相手に優しくして思いやりを持つ」と言う気持ちを自然と育んでいったのです。

また、猫などの動物の場合には、自分の感情を言葉に出して伝えることができません。

そのため、子どもでも相手の様子を見て「どうしたのかな?」と考え、気持ちを汲み取ろうとするようになるのですね。

猫が子どもに与えた影響2:責任感を持つようになった

筆者の長女は現在小学4年生なのですが、正直なところ、これまでは何に関しても「私がやらなくても誰かがやってくれる」と消極的で人任せな部分が目立ちました。

そんな中、トイレ掃除やごはんなど愛猫のお世話にも関わってもらうようにすると、以前よりも「自分がやらなくてはいけない」とさまざまなシーンで責任感を持つようになったのです。

もちろん、急激に変わったわけではなく、初めのうちはお世話を忘れていた時期もありました。

でも、お腹を空かせてニャーニャーと鳴いて訴えてくる愛猫を見て「自分がやらなければ、この子が困るんだ」ということを徐々に学んでいったようです。

とは言え、まだ子どもですから、あまりにも大きな責任を背負わせることはよくない…とも考えています。

あくまでも、“親と一緒に”猫を育てていってもらうようにして、子どもにも少しずつ「命を育てることの重大さ」を感じてもらうことが大切だと思っています。

猫が子どもに与えた影響3:命の大切さを学んだ

みなさんがご存知のように、猫は人間の4倍の早さで成長します。

猫が成長していく中でケガをしたり、病気をしたり、さまざまな出来事があるでしょう。そうした姿を見て、子どもは「猫も自分と同じ、一つの尊い命なのだ」ということを学んでいきます。

また、もしもケガも病気もなく育ってきた子であっても、命あるもの必ず老化は訪れ、いつかは旅立っていきますよね。

「死」はとても寂しい出来事ではありますが、猫がその命をもって教えてくれるさまざまな感情は、子どもたちにとって大きく意味のあることだと筆者は思うのです。

というのも、筆者宅の猫は健在なのですが、先日実家の猫が老衰でこの世を去りました。

子どもたちも実家に行くたびにその猫と遊んでいたので、亡くなったとの知らせを受けた時には大泣きしていました。

しかし、実家の猫の死へのショックは少しずつ子どもたちの中で「限りある命だから大切にしていく」という考えに変わっていったように感じます。

きっと、自宅の猫に対しても「この子もいつかは死んでしまう」という不安はあるでしょう。でも、だからこそ「今一緒にいられる時間を大切に」と、目一杯に愛情を注いでくれているのではないかとも思っています。

猫を迎える際にはきちんと基礎作りを

猫を飼うことで子どもに与えた影響についてお話しましたが、これはあくまでも筆者宅の話であり、どの家庭にも当てはまるものではありません。

親の対応や環境によっては、かえって猫と子どもがお互いにストレスを抱える場合もあり得ることを心に留めてください。

先ほどもお話したように、猫も尊い一つの命です。そのため、「子どもの教育のため」「子どもの遊び相手に」など、安易に迎えることは筆者はおすすめしません。

子どもがいる家庭で猫を迎え入れる場合には、まずは親も子どももきちんと猫への知識をつけて、猫と子どもが共生できる環境を整えることが大切です。

猫も子どももお互いに良い影響を与え合っていけるように、まずは親がしっかりと基礎となる部分を築いていきましょう。

執筆者情報

写真
Rapport Ciel
代表・ペットロスカウンセラー・ペットケアアドバイザー
松永由美

以前はトリマーとして従事していたが、愛犬の死をきっかけにペットロスカウンセラーへと転身。現在では、Rapport Cielの代表として、ペットロスカウンセラーやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する様々な記事の執筆を行う。
著書「ペットロスで悩んだときに読んでほしい愛犬の死がきっかけで平凡主婦がペットロスカウンセラーとなって起業した話: 「意外」と驚かれるペットロスとの向き合い方 (ラポールブックス)

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