いつまでもペロペロ…愛猫が「体を舐め過ぎる」ときの原因2選と対処法

いつまでもペロペロ…愛猫が「体を舐め過ぎる」ときの原因2選と対処法

猫が自分の体をペロペロ舐めることを、「セルフグルーミング」と呼びます。健やかな体を保つために大切な行為ですが、やり過ぎるとハゲたり皮膚炎になることも。過剰に体を舐める原因と対策について解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.皮膚のかゆみ

長毛の猫

猫はなんらかの皮膚トラブルを抱えているとき、自分の体を過剰に舐めてしまいます。

あなたが蚊に刺されたときを思い出してみましょう。だめだとはわかっていても、無意識のうちに患部をガリガリ引っ掻いてしまうことがありますよね。猫も同じように、「かゆみ」が原因で皮膚を舐め続けることがあります。

かゆみの原因については、ノミ・ダニの寄生や、感染症、アレルギーやアトピー性皮膚炎などが考えられます。かゆい箇所を舐めたり引っ掻くことで「搔き壊し」状態になり、ひどい場合は細菌が感染することもあります。

中には人間に感染するものもあり、気が付いたら飼い主さんまで皮膚がかゆくなってきたなんてこともないとはいえません。

猫がペロペロ舐め続けているときは、炎症を起こしている部分がないかしっかりとチェックしてみてください。

2.ストレス

アメリカンショートヘア

猫の過剰グルーミングで最も多い原因が、ストレスです。人間でも、ストレスで頭を掻きむしったり、爪を噛んだりといった行動が起きることがありますね。

猫のグルーミングには心を落ち着かせる目的もあるので、ストレスが強すぎると「グルーミング」の域を超えてしまいます。

猫のストレス要因として多いのが、生活環境の変化です。家族に赤ちゃんが産まれたり、引っ越したり、人間の生活には変化がつきもの。猫はもともと変化を嫌う動物なので、人知れず大きなストレスを抱えている場合があります。

また、運動不足で体を舐め続けてしまうことも。のんびり屋さんの猫といえど適度な運動は必要です。最低限の運動もできていない場合、そのエネルギーがグルーミングに向いてしまう場合があります。

体を舐め過ぎるときの対処法

診察を受ける猫

かゆみが原因で舐めるとき

皮膚トラブルの場合、動物病院で診てもらうのがベストな対処法になります。一般的な皮膚炎の場合は投薬や塗り薬などで回復に向かう可能性が高いので、なるべく早く診察を受けましょう。

ノミやダニが寄生している場合は駆虫を併用することになります。くっついているノミ・ダニを無理矢理取ろうとすると歯が残ってしまうことがあるので、必ず動物病院で処置をしてもらってくださいね。またすでに搔き壊している場合は、エリザベスカラーや保護服の着用を勧められることもあります。

ストレスが原因で舐めるとき

心因的な理由で体を舐め過ぎるときは、ストレスをなくすことが一番の対処法です。スキンシップ不足や運動不足の場合は、毎日10分程度でもいいので一緒に遊んであげましょう。優しくブラッシングしてあげるのもおすすめです。

また環境に変化があることが予測されるときは、急に生活環境が一変しないよう、徐々に慣らしてあげるようにしましょう。

ストレスが原因で皮膚をなめていたも、過剰になめた場合皮膚炎が起こる場合があります。ストレスを緩和するサプリメントやフードもありますので、利用するのもありでしょう。

まとめ

グルーミング中の猫

猫が体を舐め続けるのは、「皮膚トラブル」か「ストレス」が原因であることが多いです。皮膚トラブルであれば、動物病院でしかるべき治療をすることが重要。症状の改善とともに、過剰グルーミングもおさまってくることがほとんどです。

やっかいなのは、ストレスで舐め続けているとき。まずは何に対してストレスを感じているのか特定しなければなりませんし、しつけで治るわけでもありません。ストレスの要因を排除することが必須になります。

過剰グルーミングがひどすぎる場合は、エリザベスカラーで舐めないようにするのもひとつの手ではあります。しかしエリザベスカラーを装着すること自体がストレスになる可能性もあり、根本解決にはなりません。

日ごろから愛猫の皮膚の状態、グルーミングの所要時間を観察して、いざというときにすぐに対処できるようにしておきましょう。

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