1.単独生活か群れ生活か
本来の猫は群れを作らず、単独で生活します。猫に対してどこか身勝手な印象を受けたり、躾をすることが困難なのはそのためです。
一方犬の場合は、常に集団で行動します。当然リーダー的な存在がおり、基本的にはその者の指示に従うのが鉄則です。飼い主さんが一貫した姿勢を示せば主人だと認識し、自然と言うことを聞くようになるでしょう。
猫の場合は主従関係が曖昧になりがちなので、飼い主さんに対して仲間意識を持つことはあっても絶対服従の姿勢を持つことはありません。よって、亭主関白的な態度では良好な関係が築けないことを心得ておきましょう。
2.一日の活動時間帯
猫は日中に眠り、薄暗い夕方や朝方になると活発になります。これは効率良く狩りを行うために身につけた習性です。言わば、人間とは真逆の生活スタイルを持っていることになりますね。
犬は集団で狩りを行えるため、猫のような手法は取る必要がありません。よって、昼間に活動しています。どちらかと言えば、犬のほうが私達に近い生活スタイルを持っています。
ただし家猫の場合は、ある程度飼い主さんの活動時間に応じた行動を取るようになります。猫ならではの暮らしを尊重しつつ、一緒に遊んだりスキンシップを取って楽しんでみてください。
3.主食
猫も犬も、共に肉を主食としているイメージがありますよね。ところが実際には、猫は純粋な肉食動物で犬は雑食動物に分類されます。
この両者の違いはそれぞれのフードにも反映されているため、注意が必要です。一緒に生活している場合は、必ずジャンルを守るようにしてください。
犬がキャットフードをメインに食べると肥満や塩分過多のリスクがあります。猫の場合はタウリン不足に陥り、体調不良を招く恐れがあります。
4.トイレに対する認識
猫は外敵から身を守る関係で、排泄は所定の位置でする癖をつけています。比較的トイレットトレーニングが容易なのは、元々の習性によるものだったのです。
対する犬は、草原を移動しながら暮らしています。基本的にトイレの場所はフリーで、特別なこだわりはありません。ここがトイレの躾に苦労する所以というわけです。
猫の場合は、落ち着いてトイレができる環境さえ整えば粗相をすることはないでしょう。犬の場合は、最初にサークルを用いてしっかり教え込むことが大切です。
5.体の柔軟性
猫の体は柔軟性が高く、関節の動きもしなやかです。爪の出し入れが自由自在にできたり、手首を器用に動かして襖を開けられるようになったりします。上手に毛繕いができるのも、やはりこの身体的特徴がなせる技なのです。
一方犬の場合は、毛繕いが困難な分、定期的にシャンプーをしなければ体臭が残ります。
また、犬猫どちらも爪切りは必要ですが、犬は爪が出たままになるのでより一層重要になります。伸びたまま放置すると巻き爪になり、そのまま皮膚に食い込む恐れがあるので注意が必要です。
まとめ
猫と犬は生活様式からトイレに対する認識、私達に対する関係まで大きく異なることがわかりましたね。
これはどちらも個性のようなものなので、もちろん優劣をつけるようなことではありません。お迎えする際は、それぞれの特徴に合った躾を目指していきましょう。
ちなみに猫も「ダメ」という言葉を理解することができます。爪とぎは専用の爪とぎ場を用意する必要があるものの、理にかなったものであれば躾が可能です。一緒に暮らす際の参考にしてみてください。