猫が電気コードを噛んでしまう3つの理由
夏は扇風機や除湿機、冬はストーブにこたつなど、いまや電化製品を使わない生活は考えられませんね。そして、部屋のいたるところに存在するのが電気コードです。愛猫がコードで遊んでいて「危ないよ」「やめなさい」と止めた経験はありませんか?
猫が電気コードなどを噛んでしまうのには以下のような理由が考えられます。
1.遊びの延長
猫はヒモ状の長いもので遊ぶのが大好きです。触れば不規則に動き、引っ張れば触れた場所よりも遠くにある「ヒモの先」まで一緒に動きます。好奇心旺盛な猫は、予測できないヒモの動きに狩猟本能を掻き立てられてしまいます。
ところが、猫はヒモと電気コードの違いがわかりません。テレビの同軸線や太い電源ケーブルは、動きが悪いので猫にとってあまり楽しくないかもしれません。
一方で冷暖房器具や携帯電話の充電コードなど自由に動く電気コードは、遊んでいるうちに興奮してガブリと噛んでしまう恐れがあるのです。
2.ストレス解消
いつもより長時間の留守番やケージに入れられていたあと、あるいは、模様替えや新しいペット、引っ越しなど環境の変化が引き金になり、ストレスから電気コードを噛んでしまうことがあります。
猫はストレスを感じたときに、噛むことで解消しようとする傾向があります。これは転嫁行動のひとつで、自分の不快感を近くにあるもので解消しようとする、いわゆる「八つ当たり」のようなもの。
噛む転嫁行動が見られるときは、ストレスが日常的に続いていることが考えられます。
3.噛み癖
子猫がガブガブと何でも噛んでしまうのは、成長するために必要な社会勉強なので、だいたいどの子もひと通りとる行動です。
経験の未熟な子猫には、危険なものが理解できないため(むしろ、それを知るために)興味があるものをなんでも口にしてしまいます。そのため、それが電気コードであっても噛んでしまうのです。
大きくなってから噛み癖が出た子には、前述した転嫁行動の可能性もあります。どのような状況にあるか知ることで、電気コードを噛んでしまう理由がわかるかもしれません。
電気コードが損傷したときの危険性
猫が電気コードを噛んで損傷してしまう危険性は、愛猫だけにとどまりません。以下のような、危険をはらんでいます。
- 感電、やけど
- 電化製品の故障
- 火災の原因
- 感電した猫を触った際の二次被害
猫がコードを噛んでいるときに、通電していると、口腔内や四肢のやけどをはじめ、電流で血管が傷つくことによる肺水腫(肺の中の水が溜まる)になることがあります。重症になれば呼吸困難や意識障害、心停止の危険もあります。
また、電気コードのダメージは電化製品の故障の原因になります。
電気コードは、プラスチック素材の外装と絶縁体で巻かれたワイヤーでできています。もし、外装に傷がついた状態で通電すると十分な絶縁ができなくなるため、電化製品が故障する可能性があります。
また、コードの損傷した部分から火花が散って近くにあるものに引火する危険があります。
もし猫が電気コードを噛んでいたら、声かけや物音でやめるように促して、猫の体を触る前にコンセントプラグを抜くかブレーカーを落として一旦電流を切るようにしてください。猫に触れたときに一緒に感電してしまう二次被害を防ぐためにも重要な手順です。
猫に電気コードを噛ませないための対策
前述したように猫が電気コードを噛む理由には本能的な部分もあるため、しつけだけでやめさせようとするのは、むずかしいかもしれません。その代わり、噛まないようにする対策には次のようなものがあります。
- 家具などの裏を通す
- ケーブル用のカバーを使用する
- モールで隠す
- 電化製品は使ったら片付ける
もしコードに十分な長さがあれば、猫が触れないように棚などの家具の裏側を通すのが簡単です。家具の重みでコードが断線しないように注意しましょう。
コードだけをカバーするには「スパイラルチューブ」と呼ばれる複数のケーブルをまとめるためのグッズが使いやすいでしょう。切れ込みの入ったチューブを電気コードに巻くだけで噛みつき対策ができます。安価で丈夫な「PCVチューブ(ホース)」を好みの長さに切ってカバーにする方法もあります。
また、コードを壁沿いに隠せる「配線カバー」「モール」は、部屋の見た目もすっきりするのでおすすめです。壁沿いに両面テープで張り付けてしまうので、取り外し頻度の少ない、常に使用している電気コードに向いています。
ドライヤーや充電コードの場合は、猫がふれない場所で使用し、使い終わったら猫の手の届かないところにしまうようにすると安心です。
まとめ
今回は、猫が電気コードを噛む原因と対策を紹介しました。
猫が電気コードを噛みたがるのは、「遊びの延長」と「ストレス解消」、そして「噛み癖」などが原因です。なんでも口にしてしまう子猫は特に注意が必要です。
電気コードを噛まれて損傷すると非常に危険です。噛んでしまった猫には命を落とす恐れもありますし、電化製品の故障や火災の原因などにもなりかねません。
猫が電気コードを噛む問題は、叱るだけでは解決しないことが多いので、コード用カバーを使用したり、家具の裏に回したりするなど、できるだけ電気コードを猫から見えないようにする対策が有効です。