猫の血圧にまつわる4つの話
1.猫の正常な血圧は
猫の血圧にも最高血圧・最低血圧の正常範囲があって、数値はそれぞれ最高血圧が80~160mmHg、最低血圧が60~110mmHgです。人の血圧の正常範囲は最高血圧が120~129mmHg、最低血圧が80mmHg未満なので、実は猫の方が血圧が高いのです。
2.猫も高血圧・低血圧になる
猫の高血圧というのは「最高血圧が160mmHg以上が続いている状態」で低血圧は「最低血圧が80mmHg以下が続いている状態」のことをいいます。
高血圧の原因は、病気(副腎皮質機能亢進症・腎疾患・甲状腺疾患・肝疾患など)や遺伝といったものがあり、若い猫でも高血圧になることも。また低血圧の原因には、病気(心疾患や内分泌系の疾患など)や出血といったものがあげられます。
治療は動物病院によっても異なりますが、原因となる疾患があればその治療と降圧剤(血圧を下げる薬)をつかって血圧をコントロールするというものです。基本的に「完治」はしませんが、原因となる疾患が治った場合はその限りではありません。
3.猫の血圧は動物病院で計測するのは難しい!
猫は動物病院では興奮状態になることが多いため、正確な数値を得るのが難しく、受診時に毎回血圧測定をするということはあまりありません(※動物病院によって異なります)。
猫の血圧は主に手術中や診療中に計測するのがメジャー。なお手術中は猫のバイタルの指標のひとつになるため、必ず血圧計をつけて常時血圧測定を行います。
人では病院やクリニック・薬局などにも血圧測定器がおいてあって「血圧測定」は身近な検査ですが、猫の血圧測定は頻繁に行われるわけでないので、飼い主にとって身近な検査とはいいにくいかもしれません。
4.猫の家庭用血圧測定器も販売されている
実はペット用の血圧測定器というものは、一般家庭向けにも販売されています。定期的に血圧の健康管理を行っていきたいのであれば、導入を検討しても良いでしょう。
先述した通り、猫が興奮状態では正しい計測はできません。しかし自宅に計測器があれば猫が落ち着いた状態で計測できるので、早期に異変に気づくキッカケにもなります。
必需品でないうえに高価であるため強くおすすめはできませんが、興味のある方はぜひチェックしてみてください!
猫の血圧を健康に保つには?
猫の血圧を健康に保つ秘訣は、やはり定期健診です。健康な猫でも、8歳を迎えたら定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
というのも、猫は人のように「塩分の摂りすぎ」で高血圧を招くことは少なく、低血圧にしろなにかしらの疾患が原因となることがほとんど。つまり定期健診で原因となる疾患を早期に発見し、治療を行うことで高血圧や低血圧の予防・治療につながるというわけです。
猫は体の異変があってもそれを隠そうとしてしまい、飼い主もなかなか気づけないということがあります。そういった観点を含めても定期健診は猫の健康を守る方法として、とても効果的な選択肢のひとつといえるでしょう。
まとめ
猫であっても人と同じように血圧は管理され、高血圧・低血圧にもなる猫もいます。血圧は健康指標のひとつ。あまり馴染みはないかもしれませんが、猫の血圧について知り、健康管理に努めるのも飼い主の役目です。
そのためにも定期的な健康診断を積極的に受けて、なにかいつもと違う様子がみられれば動物病院を受診しましょう。