1.消化器疾患
猫が比較的かかりやすいと言われているのが「消化器」に関わる病気です。
消化器系の病気には、「口内炎」「腸閉塞」「胃腸炎」「ウイルスや細菌による感染症」など多岐にわたります。病気の種類や進行状態によっては症状もさまざまですが、嘔吐や下痢、食欲不振、元気消失などがきっかけで病気が発覚することが多いです。
とくに消化器に関わる病気は、その症状だけでは具体的にどこが悪いのかが分かりにくいです。そのため、様子見をしてしまうと、場合によっては命に関わることもあります。いつもとは違う猫の異変がみられたら、動物病院で適切な診察を受けてみましょう。
予防法
消化器をより良い状態で維持するために、猫が口にする食べ物に気をつけてあげることが重要です。猫の年齢や体重、運動量に合わせた種類のフードを選び、適切な量のフードと水を与えてあげましょう。
誤飲や誤食によって猫が中毒症状を起こしたり、消化管に異物が詰まることで病気を引き起こしてしまうこともあります。紐やビニールなどの猫が遊びながら口にしそうな危険なものは部屋から撤去しておきます。
さらに、毛づくろいによって飲み込んだ毛玉も体内に溜めこまないように、こまめなブラッシングで余計な被毛を取り除いてあげましょう。
2.泌尿器疾患
泌尿器系の病気も、多くの猫がかかりやすい病気として注意が必要です。
「尿路結石」や「腎臓病」などの泌尿器疾患は、水分を充分に取ることや、しっかりと尿を排出することが大切です。自ら水を飲まない猫はウェットフードを追加したり、スープ状の水分を摂取させるなどの工夫が必要なため要注意です。
また「膀胱炎」や「尿道炎」などの泌尿器疾患は、水分不足以外にもトイレを我慢したことで発症してしまうことがあります。猫トイレが不衛生であったり、猫砂が好みでなかったりと、トイレを我慢してしまう要因はさまざまですが、猫に合わせたトイレの環境作りが大切です。
予防法
猫が水を飲もうとしない理由のひとつに、水飲み場や食器に関して不満をもっている場合があります。そのような場合は、猫の行動範囲に合わせて複数の水飲み場を設置し、猫がいつでも水分補給できるようにしておきましょう。
食器からの飲水が少ない場合は、水が循環しながら流れる自動給水器を使ってみたり、ペットボトルで上から水を落したりすれば飲んでくれる猫も多いです。それでも難しい場合は、水分を多く含むウエットフードやおやつを活用して食事から摂取してみましょう。
また、猫トイレの環境を整えることも泌尿器疾患の予防に効果的です。猫トイレをいつも清潔にしておく以外にも砂の種類や大きさ、置き場所は猫に適しているか確認してみてください。
3.皮膚疾患
猫の体質や環境によっては、さまざまな原因から皮膚トラブルが起こることも少なくありません。食べ物からアレルギー反応を起こすこともあれば、ノミやダニなどの感染から皮膚に異常が現れる場合もあります。
感染性の皮膚疾患にとくにかかりやすいとされる猫は、免疫力が十分ではない仔猫や高齢、外と家を行き来している猫、多頭飼育の猫は皮膚病を発症しやすい傾向にあるようです。
皮膚病にかかると、炎症によってかゆみが生じたり、発疹ができたりします。重症化すると、一部の被毛が脱毛したり、猫が掻いた場所から菌が入って炎症がひどくなることがあります。
予防法
外猫は行動範囲が広く、別の猫と接する機会が多いため、ノミやダニが皮膚に寄生しやすい環境にあります。そのため、家猫が外猫との接触をさせないことが感染症の皮膚病を防ぐひとつの予防策です。
完全室内飼いであってもホコリや花粉といったアレルゲンを吸い込んだり、皮膚に付着したりすることで皮膚炎の原因となるおそれがあります。猫が普段過ごしている場所は、こまめな掃除と換気、空気清浄機などを使って、清潔に保つことで皮膚の健康も守ってあげましょう。
まとめ
猫がかかりやすい病気を前もって防ぐためには、栄養バランスのとれた食事や水分補給、運動、ストレスを溜めこまない生活環境を維持してあげましょう。
病気はどんな暮らし方をしていても完全に防ぐことはできませんが、心と体は繋がっています。猫が快適に感じる環境を維持することが何より病気の予防になるでしょう。
それぞれの猫がもつ性格や好みを把握して、病気になりにくい環境を整えてあげたいですね。