猫に服を着せるのはダメ?メリット・デメリットを解説、なかには必要な場合も

猫に服を着せるのはダメ?メリット・デメリットを解説、なかには必要な場合も

猫が服を着ている姿を見たことがある方も多いはず。おめかし姿の猫はとても可愛いのすが、かわいそうという批判の言葉も目にしますよね。猫が服を着ることにはどんなメリット・デメリットがあるのか解説します。

SupervisorImage

記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫に服を着せるメリット

セーターの猫

猫に服を着せると、以下のようなメリットがあります。

寒さ対策

よく知られていることですが、猫は寒さが苦手です。何らかの理由で暖房器具を使用できない場合、猫に服を着せることで防寒になります。とくに暖房器具の故障や災害避難など突発的なアクシデントでは、大きなメリットに感じられるでしょう。

皮膚の保護

皮膚を保護したいときにも服が活躍します。過剰なグルーミングや皮膚疾患、手術後や塗り薬の使用など、保護目的で病院から服を勧められることもあるくらいです。服を着ていれば、患部を掻いたり舐めたりしてもダメージを起こしにくいというわけです。

抜け毛対策

抜け毛対策として服を着る場合もあります。服を着ていても毛は抜けますが、周りに飛び散らないようにできるからです。来客時や病院へ行くときなど、周りに迷惑をかけないように一時的に服を着せるのもアリでしょう。

猫に服を着せるデメリット

毛繕いをする猫

一方、猫に服を着せるデメリットはこちらです。

ストレスがたまる

服を着てグルーミングができなくなった猫は、人間が思う以上にストレスを感じる場合があります。グルーミングは被毛のお手入れや体温調節に効果的なだけでなく、リラックス効果やストレス発散になっていることも多いためです。

皮膚を保護する目的で着用させるなら仕方ない面もありますが、意味もなく服を着せるのは辞めた方がいいでしょう。

事故のリスク

意外と盲点なのが、服を着ることで起こりうる事故のリスクです。例えばストレスで服を嚙みちぎってしまい、布切れを誤飲する可能性があります。

また装飾が付いている服の場合、家具やキャットタワーに引っかかって転倒・落下してしまうことも。破損した服が猫自身に巻き付いて、取り返しのつかない怪我をする場合もあります。

怪我の見過ごし

そもそも服を着ていると皮膚が見えないので、怪我に気が付きにくいこともデメリットです。毛並みや皮膚が見えないと、皮膚疾患や腫瘍も見逃してしまいます。

治療のために服を着るとしても、毎日の皮膚チェックは忘れないようにしましょう。

猫に服を着せる際の注意点

術後着の猫

猫に服を着せるときは、以下のことに気を付けましょう。

  • 無理やり着せない
  • 猫用の服を選ぶ
  • なるべく短時間で済ます
  • 着用中は目を離さない

当然のことですが、猫が嫌がっているのに無理やり着せることは避けてください。飼い主に対して恐怖心や敵対心を抱くきっかけになることもあります。撮影やファッション目的なら、服をやめて小物で試してみましょう。小物も嫌がっているようなら、猫のために諦めるのがオススメです。

防寒や皮膚保護などでやむなく着用させる場合は、猫専用の服を選んでください。猫の体に合った形で作られているものは、負担がかかりにくいです。ちなみに犬用の服も同じなような形に見えますが、首回り脚回りなどに違いがあるので、着用させない方がいいでしょう。

デザインとしては、過度な装飾があるもの、素材が厚くて重いもの、肌心地の悪いものはストレスになる可能性が高いです。防寒のためであっても、なるべくシンプルで負担の少ない服がオススメです。

また猫専用の服であっても、なるべく短時間で脱がせるようにしましょう。着用している間は、服を気にしていたり歩き方がおかしくなっていないかなど、こまめに様子を確認するようにしてください。

固まって動かなくなる場合もストレスを感じている証拠です。しばらく待っても動かないようであれば、服が苦手だということなので無理強いはしないでください。

まとめ

ハロウィンペット

猫に服を着せる際はデメリットや注意点もありますが、「防寒」「皮膚の保護」など大きなメリットもあります。どちらも猫を守るための目的なので、万が一に備えて猫用の服を準備しておくのもオススメです。

また、愛猫に合わせてハンドメイドすることで、着用の負担を減らすこともできます。厚めのタイツやTシャツで簡単に作れるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

スポンサーリンク